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Web小説の森

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#Web小説の森

飯田一史×編集マツダ特別対談〔後編〕

「読み専」がWeb小説の世界を変える|編集マツダ

飯田一史×編集マツダ特別対談〔後編〕 「読み専」がWeb小説の世界を変える|編集マツダ

Web小説と作家の未来について、編集マツダと飯田一史さんが語る特別対談。前編では、いまのWeb小説から生まれそうな新しい流れと、その中で作家が食べていく仕組みをどう整備していくかがテーマになりました。
後編となる本記事では、Web小説をより盛り上げるためのファクターとして、作品の読者、発掘者=スコッパー、そして評論家に焦点を当てて語ります。

Web小説にはインフルエンサーがいないマツダ:Web小

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飯田一史×編集マツダ特別対談〔前編〕

「Web小説で食っていく」は可能か?小説と作家の未来|編集マツダ

飯田一史×編集マツダ特別対談〔前編〕 「Web小説で食っていく」は可能か?小説と作家の未来|編集マツダ

「Web小説の森」では、短編小説ブームなど「ネット上では盛り上がっているが世間的な認知が追いついていない事象」、および占いツクールや食べログ文学など「世間的にはWeb小説と見做されていないが、創作的な意図を含み、その物語的おもしろさが消費されているもの」に着目し、全10回にわたって取り上げてきました。

 今月は連載を締めくくるフィナーレとして、ライターの飯田一史さんがスペシャルゲストに登場!
 

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2ちゃんねるという大河、その土壌・後編|編集マツダ

2ちゃんねるという大河、その土壌・後編|編集マツダ

「2ちゃんねる」に書かれた小説について前後編に分けてお届けしている。前回は、電車男に始まり三秋縋へと流れるボーイ・ミーツ・ガールの系譜について書いた。
後編となる今回では、橙乃ままれの『まおゆう魔王勇者』を道標として、別の流れにもスポットライトを当ててみたい。

2ちゃんねる発のヒット作品、『まおゆう魔王勇者』『まおゆう魔王勇者』。2009年に2ちゃんねるのニュース速報(VIP)板に投稿されたスレ

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2ちゃんねるという大河、その土壌・前編|編集マツダ

2ちゃんねるという大河、その土壌・前編|編集マツダ

「2ちゃんねる 1)」。
ネットスラングからまとめサイトまで、数々のWeb文化を生み出した巨大掲示板。
Web小説を語るにあたって「2ちゃんねる」を避けて通ることはできないだろう。
1レスで完結するこじゃれた作り話。エッチな二次創作。AA(アスキーアート)を用いて書かれた、コミックのような物語。そしてオリジナル小説……大量の作品が2ちゃんねるから生み出されている。

あまりに膨大なので、迷子になら

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レビュー欄に書かれた小説、それはライフスタイル誌|編集マツダ

レビュー欄に書かれた小説、それはライフスタイル誌|編集マツダ

これを書いている7月上旬時点で、Twitterで公募された #54字の文学賞 が大変盛り上がっている。前回・前々回の記事でTwitterと小説について書いた身としては嬉しい限り。物書きの皆さんでまだの方はぜひ挑戦してみてください。(54字の物語ジェネレーター)

さて、今回は「レビュー欄に書かれた小説のようなもの」について取り上げたいと思う。あなたは遭遇したことがあるだろうか? ネットで買い物をし

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Twitter小説のことをもっと語ってみる|編集マツダ

Twitter小説のことをもっと語ってみる|編集マツダ

知ってるようで意外に知らない、思ってるより意外に深い。あなたの知らないWeb小説の世界をお届けする「Web小説の森」。
前回の記事にたくさんの反響をいただいた中でこんなご意見があった。

「創作の種がTwitterにある」というのはとても納得する節がありました。
Twitterに挙げられるイラストや漫画、
所謂「嘘松」と称される創作めいた話まで・・・
思い当たる節があり、興味深いです。

ただ、

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Q.今一番アツい小説投稿サイトは A.Twitter|編集マツダ

Q.今一番アツい小説投稿サイトは A.Twitter|編集マツダ

知ってるようで意外に知らない、思ってるより意外に深い。あなたの知らないWeb小説の世界をお届けする「Web小説の森」。
「小説家になろう」「エブリスタ」「カクヨム」……と小説投稿サイトが百花繚乱状態だが、一番盛り上がっている小説投稿プラットフォームはどこだろうか。
人が多いのはなろう? バリエーションならエブリスタ? 私はこう答えたい。
「いま一番小説投稿が盛り上がっているのは、Twitterです

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サラリーマン作家の憂鬱|編集マツダ

サラリーマン作家の憂鬱|編集マツダ

知ってるようで意外に知らない、思ってるより意外に深い。あなたの知らないWeb小説の世界をお届けする「Web小説の森」。
第4回目は知られざるWeb作家の生態に迫ってみたいと思う。この膨大な作品群は一体どこの誰が、どうやって書いているのだろうか。

「なれればいいねぇ、なりたいねぇ。でも違うよ」Web作家の本音Web小説を読んでいると時折、書き手の姿がチラリと覗く瞬間がある。

小説で食べているプロ

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進化し続けたケータイ小説とWeb恋愛小説|編集マツダ

進化し続けたケータイ小説とWeb恋愛小説|編集マツダ

ニュースになることこそ少ないが、Web恋愛小説はめちゃくちゃ面白いし、ファンの数も多い。
「Web小説といえば異世界転生でしょ」と思っている人は、今すぐ恋愛系の投稿サイトを開いて、読み始めてほしい。Web小説というフォーマットは恋愛小説のためにあるのでは? とすら思うはず。
今回は、その理由を「ケータイ小説」の歴史も踏まえながら紐解いていこう。

Web恋愛小説、百花繚乱Web恋愛小説の特徴として

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小説投稿サイトの隅で日記を書き続ける|編集マツダ

小説投稿サイトの隅で日記を書き続ける|編集マツダ

世に知られていないWeb小説の世界をご紹介する当コーナー。第2回は「エッセイ」について書こうと思う。
第2回にして既に小説でなくなっているが、ネタが尽きているわけではないのでどうかページはそのままで。
「このご時世にBlogではなく、Twitterではなく、わざわざ小説投稿サイトに日記を書く人たちがいる」という事象を伝えたいのである。いったい、なぜ、彼ら彼女らは……。

書籍化したいわけではないら

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大人の遊びとしてのショートストーリー執筆|編集マツダ

大人の遊びとしてのショートストーリー執筆|編集マツダ

「出版社主催の新人賞では絶対に拾えない作品がゴロゴロあるんだ」
私が、小説投稿サイトを運営する会社・エブリスタに入社した時に上司から聞いた言葉である。
『ソードアート・オンライン』のハリウッド映画化が決まり、『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』がTVドラマになり、『君の膵臓がたべたい』が本屋大賞にノミネートされて映画化された。いずれも小説投稿サイト発の作品。
出版社をはじめとしたエンタメ企業が

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