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プロの作家を目指すための「語彙力図鑑」上級編|monokaki編集部

「大切な場面なのに、今ひとつ盛り上がりに欠けてしまう」
「もっと的確な表現がありそうだけど、頭に浮かばない」
「絶対に面白いキャラのはずが、どうやってもつまらない」
 物語創作に関わる多くのクリエイターの方が、上記のような悩みを抱えています。そして、それらの原因は共通しています。
 そう、語彙力です。
 語彙力の欠落が、場面やキャラの描写の足かせとなり、情景や会話の表現の妨げとなっているのです。
 厄介なことに、語彙力と文章力は密接につながっています。
 つまり、語彙力が低ければ、当然、文章力が乏しくなり、頭のなかで象られているはずのシーンもキャラクターもきちんとイメージ通りに描けません。
 これは創作者にとって致命的なマイナス要因といえるでしょう。
 小説やラノベは言うに及ばず、漫画も映画もドラマも、まず文章によってプロットやストーリーラフを書き、それで面白ければ本制作の段階に入れるのが一般的なクリエイティブワークだからです。
 ただし、ご安心ください。
 語彙力はあくまで後天的な知見。その気になれば拡充できます。文章力同様に、飛躍的に伸ばすことが可能です。
 そのためには使用頻度の高い語彙の特徴や扱い方、表現上のルールとコツをマスターしなければなりません。
 小説をはじめとする物語創作で必要不可欠なのは「読みやすくて、わかりやすい文章」。イコールそれは、的確な表現を含む簡潔な文章であり、多彩な語彙を思いのままに使いこなすリズム感に満ちた美しい文章でもあります。
 もしあなたがプロの作家を目指すなら、飛躍的なステップアップによって、このレベルまで到達すべきでしょう。
 そんなワンランク上を志すクリエイターの方々に向けたのが本書です。最短効率で語彙力の向上を図るべく、プロの知見や技巧を余すところなくまとめました。
 この一冊で悩みを解消すると同時、イメージのさらに上をいく表現力と描写力を獲得し、あなただけの物語を完成させてください。

 こんな文章から始まる書籍が、12月20日に日本文芸社から発売される。以前にも現役の小説家である秀島迅氏の著作『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑』をmonokakiでも紹介したが、今回は書き続けている人に向けた『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑 上級編』。
 冒頭にはプロローグとして「PROLOGUE 1 語彙をとことん突き詰めて最適な表現を模索・厳選する」「PROLOGUE 2 生きた表現ができるように語彙のツボを押さえる」「PROLOGUE 3 本書でマスターできる5つの文章表現」というページがある。ここでは本書の構成内容と活用について説明されており、怪異の魅力やどう物語に活かすことができるかということも紹介している。

 この書籍は「PART.1 物語に起伏をもたらす感情表現」「PART.2 感情が反映されるアクション」「PART.3 細かい変化を書き綴る仕草」「PART.4 物語の流れを方向づける状態」「PART.5 漂う雰囲気を演出する情景篇」と全部で5パートに分かれている。各PARTの終わりには著者が書いたコラムもそれぞれ収録。また、最後には「実践してコツを掴むクリエイター語彙力検定」も掲載されている。

 日々創作に悩む作家さんたちにこそ読んでほしい! と思い、monokaki限定で、特別に一部掲載の許可をいただいた。

 今回掲載箇所として編集部が「PART.1」「PART.2」から三つずつ、「PART.3」「PART.4」「PART.5」から二つずつ選出し、最後に「実践してコツを掴むクリエイター語彙力検定」から「感情編①」を選んでみた。まずは記事を一読してほしい。読んでみて気になった人は本書を手に取り、ご自身の創作に活かしてもらいたい。


PART.1 物語に起伏をもたらす感情表現

PART.1では、
「本章のPOINT」
「好き 恋愛感情」
「好き 恋愛感情以外」
「喜び 自分がうれしい」
「喜び 他者への共感」
「怒り 自分が何かされたとき」
「怒り 親しい人が何かされたとき」
「悲しみ 自分に何かあったとき」
「悲しみ 親しい人に何かあったとき」
「楽しみ ひとりで何かしているとき」
「楽しみ 誰かと何かしているとき」
「勇気」
「憧れ」
「優越感」
「嫌悪感」
「屈辱」
「殺意」
「後悔」
「驚愕」
「呆れる」
「困惑」
「不安」
「恥ずかしい」
「嫉妬」
「疑心暗鬼」
「威圧感」
「COLUMN1  一般的な尺度ではなく リアルな気持ちを描写する」
が取り上げられている。
ここでは、「好き 恋愛感情」「悲しみ 親しい人に何かあったとき」「驚愕」を紹介する。

NO.01 好き 恋愛感情 【すき】
[英:love]

【意味】
恋情がからんだ好意。

【類語】
恋 色恋 懸想 恋慕 傾慕 寵愛 愛欲

体(フィジカル)の反応
・ ドキドキと胸が高鳴る
・ズキズキと胸が痛む
・相手を目の前にすると思うように体が動かない
・気づくと相手を目で追っている
・目が合うと体温が一気に上がる
・いつもの景色がパッと華やかに色づいて見える
・手のひらに汗が滲む
・物思いに耽るあまり、ごはんがのどを通らない
・ぽうっと頬が赤く染まる
・うまく言葉が出てこない
・相手を想うと自然と目尻が下がり、笑みがこぼれる
・痺れるような衝撃が体に走る

心(メンタル)の反応
・感情が相手次第で揺れ動く
・囚われたように陶酔する
・どんなに些細なことでももっと相手を知りたい
・ほの暗い嫉妬が顔を出す
・浮かれて期待感にあふれる
・いざ対峙すると緊張する
・切なさで胸が苦しい
・あれこれ悩みが尽きず、ひとり思い詰める
・心を奪われ恍惚とする
・そわそわとして落ち着かない
・ トキメキで胸が満たされる
・会えない日は喪失感がつのる
・みだらな思想に溺れる
・未練を感じてやるせない

恋に悩むネガティブ描写も入れてリアルな恋愛模様を演出する
 誰かに恋して恋愛感情を抱いているときは、いつもハッピーというわけではありません。むしろその対極の、辛くて苦しい綱渡り状態だと理解しましょう。
 ‟好き”になること自体はポジティブな気持ちの表れですが、自分の想いが実らなければ深い喪失感や挫折感に苛まれ、激しい自己嫌悪に襲われます。物語の登場人物が誰かに恋した心情を描く際は、高揚するアゲアゲなメンタルを一本調子で表現するのではなく、もし恋が成就しなかったら……という不安でネガティブな一面を描写してこそリアリティが生まれます。
 同様に、「僕は君が好きだ!」と、ただやみくもに「好き」という語彙を乱発すべきではありません。相手に馳せる想いは多種多様。交際したいのか、結婚したいのか、など、その深度レベルまで言及しなければキャラクターの本気度は読者の心に刺さらず、うわべの表現だけで終わってしまいます


NO.08 悲しみ 親しい人に何かあったとき 【かなしみ】
[英:Sadness]

【意味】
よくないことが起こった人に同情し、憐れむ。

【類語】
憐れみ 哀惜 哀隣 感傷 同情 悲嘆

体(フィジカル)の反応
・表情にかげりが出す
・相手の沈んだ気持ちを受け止めるように抱きしめる
・励ますように肩を抱く
・相手に寄り添おうとして大きく相づちを打つ
・共感の言葉を並べる
・唇をきつく結んで黙り込む
・あえて明るく話しかけて相手の沈んだ気分を払拭する
・背中をさすってあげる
・優しく顔をのぞき込む
・のど奥が詰まった感じがして、うまく言葉が出ない
・ぽんぽんと頭を撫でる
・相手に手に自分の手を重ねる

心(メンタル)の反応
・見ているだけで痛ましい
・気の毒でかわいそうだと思う
・しょんぼりする
・何か手助けしてあげたい
・胸がきゅっと苦しい
・相手に共感して、重しが乗っかったように気分が沈み込む
・しんみりした気分
・相手のことがどうも気にかかって落ち着かない
・とにかく相手に気を配る
・暗く寂れた不安感が心につっかえてとれない
・当事者ではないゆえにじれったさを感じる
・モヤモヤとして元気が出ない

慰め方の微妙な差異からキャラ間の親密レベルが読みとれる
 親しい人が‟悲しみ”に打ちひしがれているとき、向き合う態度や言動で人格が顕在化します。ドラマ性を重視した作品では人間関係と人物造形が要となり、そうした反応の差異を自在に文章化できる技巧を磨けば、リアルなキャラクター描写が可能となります。以下では3タイプの反応例を挙げてみました。

① 号泣/失意  当人と同等に嘆き悲しみ、深く気持ちを同調する 
② 憐憫/可哀想 一定距離を置きながら悲しみを共有する 
③ 慰撫/激励  友人的な立場で同情的なアドバイスを施す

 どれもが悲しみに寄り添った反応ですが、微妙に距離感が異なります。ここでのポイントは、悲しみに打ちひしがれる当人との親密レベルが①~③の差異から推し量れること。さらに性格的傾向も読みとれるため、各々の人物イメージを高められます。
 多様な感情の機微の書き分けは筆者に欠かせない能力のひとつではあるものの、それには豊富な語彙力が欠かせません。


NO.18 驚愕 【きょうがく】

[英:surprise]

【意味】
予想だにしない出来事に非常に驚く。

【類語】
吃驚 一驚 驚嘆 仰天 びっくり

体(フィジカル)の反応
・目を大きく見張る
・ビクッと肩が跳ねる
・素っ頓狂な声が出る
・棒のように直立する
・ピタッと体が固まる
・途端に動悸が激しくなる
・現実なのかわからなくなり、辺りを見回す
・思い切り目を逸らす
・眉をつり上げる
・下顎がだらんと落ちて、口がだらしなく開く
・絶句して息を呑む
・足の力が抜けてふらつく
・腰が抜けて動けない
・両肩をぶるぶる震わせる

心(メンタル)の反応
・とっさの出来事にうろたえて、ひどく混乱する
・信じられない気持ちに支配される
・頭が真っ白になる
・パニックに陥る
・寿命が縮むほどの衝撃を受ける
・戸惑いと焦りで頭がいっぱいいっぱいになる
・放心状態を引き起こす
・状況をうまく飲み込めない
・何も頭に入ってこない
・おそろしい余韻に打ち震える
・ほかの誰かとこの衝撃的な事実を共有したい
・喜びや悲しみが入り混じって複雑な感情になる

身体的な反応を文章に入れ込めば臨場感あふれるシーンが描ける
 喜怒哀楽などの感情と比べて、わかりやすくフィジカル面が反応する‟驚愕”。「驚く」「びっくりする」と同義のこの語彙は、文章化する際にコツがあります。単純に「彼女はひどく驚愕した」と驚いた様子を綴っても、読者にはリアルに伝わりません
 その一方で、左頁にあるフィジカルな反応をバランスよく組み合わせれば、驚愕ぶりをありありと表現できます。
 以下に例文を書いてみました。

 その瞬間、彼女は双眸を見開き、整った弓なりの眉をつり上げた。下顎がだらんと落ち、うめき声すら発しない。棒のように直立したまま、しなやかな両肩をぶるぶると小刻みに震わせ始めたのは直後のことだ。

 このように身体的な動きを列挙するだけでも、ただならぬ驚きようを臨場感たっぷりに描写することが可能となります
 ポイントは体の一部分だけでなく、表情や顔のパーツ、全身の状態まで網羅すること。参考にしてみてください。


PART.2 感情が反映されるアクション

PART.2では、
「本章のPOINT」
「歩く」
「走る」
「持つ」
「触る」
「食べる」
「飲む」
「寝る」
「起きる」
「着る」
「脱ぐ」
「話す」
「聞く」
「見る」
「学ぶ」
「遊ぶ」
「盗む」
「逃げる」
「隠れる」
「殴る」
「切る」
「つきまとう」
「COLUMN2 映画を観ながら特定のシーンを文章化する」
が取り上げられている。
ここでは、「歩く」「食べる」「着る」を紹介する。

NO.01 歩く 【あるく】

[英:walk]
【意味】
地などの面から、両足が同時に離れる瞬間がないような足の運び方で進む。

【類語】
歩みを進める 前進する ウォーキングする

関連語と文章表現
・ゆっくりと慎重に歩を進める
・足早に廊下を抜ける
・日暮れ近くになり足を速める
・パタパタと忙しなく立ち回る
・相手に気付いて歩を緩める
・堂々とした足取りで歩む
・力強く一歩を踏み出す
・夕暮れ時にそぞろ歩きする
・目的地に向かって突き進む
・疲労感の滲む足取り
・遠いところわざわざ足を運ぶ
・おぼつかない足取りの怪我人
・鉛のような重い足取り
・カツカツと靴音を鳴らす
・長い足を投げ出すように進む
・重力が増したかのように足取りが重い
・夜道を徘徊する老人に出くわす
・のしのしとした力強い足取り
・意気揚々と前進する
・ふらふらと酩酊状態で歩行する
・自信ありげに肩で風を切る姿
・何かを振り切るようにがしがしと通りを進む
・気まずそうに足早に立ち去る
・うきうきとしてスキップでもしそうな様子
・吹っ切れたような軽快な足取りで街中を行く
・よちよち歩きの赤ん坊
・緊張感のあるぎこちない足取り
・気が進まず、どうしても歩みがのろくなる
・口笛を吹きながらリズミカルに散歩する
・通りを横切るうしろ姿を見送る

歩き方の描写だけでもキャラの心情や場面の情景が伝わる
 移動の基本手段である‟歩く”。じつは意識していないだけで多様なパターンの歩き方をしているものです。これらを意識して文章化する習慣をつければ、格段に語彙力アップにつながります。ここではいくつか代表的な事例を紹介しましょう。
 まず[歩を進める]。「慎重に歩を進める」など、一歩一歩を確かめるように歩く際に使うと、心情や情景が目に浮かびます。[前進する]は、目的に向かって仲間と一緒に進むときに使えば、歩調の力強さを伝えられます。そして「突き進む」はさらに強い意志をも表します。[踏み出す]はある種の決心を歩みで表現できます。「ついに一歩を踏み出す」と描写すれば、何かのはじまりを予兆させます。[足を運ぶ]はわざわざ訪ねていくというニュアンスが強調される言い回しです。
 いかがですか? 文意によって使い分けるだけで格段にリーダビリティが上がるため、ぜひ日ごろから意識してみてください


NO.05 食べる 【たべる】

[英:eat]

【意味】
食べ物を口に入れ、噛んで飲み込み、体内に取り込む。

【類語】
喰う 食す 摂食

関連語と文章表現
・マナーよく食事をする
・美しい所作で箸を口に運ぶ
・がつがつと飯を喰らう
・手近なもので腹を満たす
・空腹感に耐えられず口にする
・ひと匙をじっくりと味わう
・あっという間に平らげる
・気づかぬうちに箸を進めている
・軽口をたたきながらテーブルの料理をつつく
・差し入れのおにぎりをぱくつく
・どんぶり飯にがっつく姿におののいている
・バリバリとせんべいを頬張る
・立ち仕事の合間に慌ただしく茶碗をかき込む
・一流の味を賞味する
・せわしなく口に運ぶ
・地元の郷土料理を食す
・気持ちのよい食べっぷりに思わず見惚れる
・新鮮な魚介類を堪能する
・喫茶店で遅い昼食を兼ねて軽食をとる
・味見のつもりがついつい箸が進んでしまう
・持たせてくれた弁当をありがたくいただく
・ぜひ温かいうちに召しあがってください
・ひな鳥がエサをついばむ
・作り置いた料理が目に見えて減っている
・生前は好んで肉を食していた
・口の中に肉汁が広がる
・滋味深い味わいに体が喜ぶ

場の雰囲気、食べ方、メニューを工夫して印象的なシーンをつくる
 物語を執筆していれば、書き手の誰もが直面する食事シーン。そこで当たり前のように使われる‟食べる”という動詞ですが、日本語にはじつに多彩な表現が存在します。場の雰囲気、食べ方、メニューといった付帯要素を熟考して語彙を厳選すれば、さらに印象的なシーンとして展開を支えます。
 もっとも一般的に使われる「食べる」という表現には、作法が介在し、マナーに則った食事場面にふさわしいと理解しましょう。対して[食う]は腹を満たすことを大前提として栄養を摂取するための行為です。そして[喰らう]と書けば、さらにぞんざいで乱暴な営みに。口と食から成り立つ会意文字の[喰]を使うことで、切迫した空腹感を必死に補うために「がつがつ飯を貪る」ニュアンスを視覚的にも伝えられます。
 著名な作家の方々は独自スタイルの得意表現を有し、登場人物やシチュエーションに合わせて使い分けているものです。


NO.09 着る 【きる】

[英:wear]

【意味】
衣類を身に着ける。気持ちなどを引き受ける。罪を背負う。

【類語】
身に着ける 身にまとう 装う はおる 着飾る

関連語と文章表現
・流行の服を着た若い男性
・すさまじいオーラを身にまとった映画スター
・長く豪華なマントをはおった中世ヨーロッパの王
・他人の好意を恩に着る
・無実の罪を着せられる
・派手な衣装を着こなす
・伝統衣装に身を包む
・光をまとった彗星
・近寄りがたい雰囲気をまとっている、ただ者ではない女性
・自ら仲間の罪を着る
・着衣のまま海に入る
・万が一に備えて武器を装備する
・パジャマからスーツに着替える
・体が冷えないように重ね着する
・厚手のセーターで着ぶくれする
・パーティーに見合った装い
・一張羅に袖を通す
・アクセサリーで身を飾る
・振袖の着つけをしてもらう
・子どもに帽子をかぶせる
・幸せそうなオーラをまとった新婚の夫婦
・着せ替え人形で遊ぶ
・試合が膠着状態に陥る
・飛行機が滑走路に着陸する
・遭難者の乗ったボートが無人島の海岸に漂着する
・着脱可能な機械の一部
・ふとした出来事から着想を得る
・彼は、解決法を導き出すための着眼点が独特だ
・公的な資金を着服する
・潜入のために変装する

衣類を身につける以外になにかを背負うという意味もある
 我が身で引き受けるという大意の‟着る”。その代表的な表現は2通りあります。まずは周知の通り、衣類などを身に着けること。これについては特に説明する必要もないでしょう。もうひとつは、自分で背負うというニュアンスで用います。たとえば「恩に着る」は相手の気持ちをありがたく受けることを、「彼の罪を着る」とすれば自らの責任として被ることを意味します。いずれも大枠での意味合いは共通しています。
 「着」を使った熟語についても明快なものが目立ちます。たとえば衣類関連では「着衣」「着用」「着脱」、くっつく状態を表すものでは「膠着」「接着」「着色」、場所を示すものでは「着陸」「到着」「漂着」、思慮に関わるものでは「着想」「着眼」「着目」などです。
 ただし[着服]には、服を着る意味とは別に「他人の金品を自分のものにする」という物騒な意味もあります。これに関しては諸説紛々で由来は謎のまま、今も解明されてないそうです。


PART.3 細かい変化を書き綴る仕草

PART.3では、
「本章のPOINT」
「目」
「口」
「鼻」
「体」
「手・腕」
「足」
「その他」
「COLUMN3 しゃべり方の差異はキャラ立ちの一助にもなる」
が取り上げられている。
ここでは、「口」「手・腕」を紹介する。

NO.02 口 【くち】
[英:mouth]

【意味】
飲食を摂取したり、しゃべったりするための器官。

【類語】
口もと 口角 唇 歯 舌

関連語と文章表現
・うれしくてにやける
・拗ねたように唇を突き出す
・不満を感じて口角を下げる
・口もとを引き締める
・イタズラがばれて、茶目っ気たっぷりにペロッと舌を出す
・大きなあくびをする
・ふーっと息を吹きかけて熱いものを冷ます
・歯をむき出しにして豪快に笑う
・驚きで口がぽかんと開く
・緊張して唇を舐める
・口の端がヒクヒクと引きつる
・集中するあまり口がすぼまる
・いら立って舌打ちする
・恥ずかしそうな様子ではにかむ
・きゅっと下唇を噛む
・悔しくて歯ぎしりする
・恐怖から歯を食いしばってガタガタいわせる
・片方の口角だけを引き上げて、ニヒルに笑う
・口をへの字に曲げる
・動揺して口をパクパクさせる
・優雅に煙草をくわえる
・唇を内側へと巻き込んで、固く口をつぐむ
・答えにくい質問にせき払いする
・静かにしてほしい意を込めて、しーっと息を吐く
・待人を見つけてあっと口を開く
・ごはんを勢いよくかき込む
・不機嫌に口もとを歪める
・口をいーっと真横に引き伸ばして相手を挑発する
・口を真一文字に閉じる

喜怒哀楽は‟口”のアクションだけでも伝わる
 言葉を発しなくても、‟口”は雄弁に物語ります。とはいえ、微細な感情表現のバリエーションは、前頁の‟目”には敵いません。おそらくそれは動きの変化自体が少ないからでしょう。
 それでも喜怒哀楽の四大感情は、口のアクションだけで十分に伝えられます。以下をご覧ください。

喜 ―― 口角をやんわり上げる 
怒 ―― への字に口を結ぶ 
哀 ―― きゅっと口をすぼめる 
楽 ―― 口もとがふっとゆるむ

 ちなみに驚きであっけにとられたときは、「口があんぐりと半開きになる」ことで呆然自失ぶりを文章化できます。
 一方、口に類する部位を使うものとして、「何度も唇を舐める」は極度の緊張状態を、「白い歯を見せる」は笑う所作を表します。
 人の気持ちとはちょっとした表情に表れるものです。


NO.05 手・腕 【て・うで】

[英:hand/arm]

【意味】
人体の肩から先の部分。

【類語】
二の腕 肘 手首 指 手先 手のひら 手の甲 こぶし

関連語と文章表現
・親しげに腕をからめる
・さよならと手を振る
・こっちにおいでと手招きする
・ものを大事そうに抱きかかえる
・道具を大きく振りかぶる
・悔しさがつのって、こぶしを固く握りしめる
・さりげなく手をつなぐ
・髪を豪快にかき上げる
・手を前に突き出して制止する
・優しく頭を撫でる
・笑うときに口もとを手で隠す
・まばゆい光に手をかざす
・体をさすって寒さを紛らわす
・手慣れた様子でパソコンのキーボードをタイピングする
・体のうしろで手を組む
・グッドサインを送る
・パチパチと拍手する
・顔を叩いて気合を入れる
・喧嘩相手に殴りかかる
・こぶしを突き上げて喜ぶ
・手でパタパタと顔をあおぐ
・偉そうに腕組みする
・気づいてもらおうと肩を叩く
・相手の体を肘でつつく
・感謝の気持ちを込めて、体の前で手を合わせる
・手を上げてタクシーを呼ぶ
・安堵して胸に手を当てる
・両手をこすり合わせる
・助けようと手を差し伸べる
・パチンと指を鳴らす
・腕を上げて伸びをする
・怯えて自分の体を抱きしめる
・暇そうに頬杖をつく

日常の仕草や癖に深層心理が表れる
 自身では意識できていない心の奥底にある気持ちを深層心理といいます。誰もの日常の仕草や癖に、この深層心理が表れるのをご存知の方も多いはず。物語創作ではこうした特性を利用し、人物の体のアクションで心理状態を暗にほのめかします。
 とりわけポピュラーなのが、‟手・腕”の仕草を用いた描写でしょう。ぎゅっとこぶしを強く握るのは、全身が強張っている証拠で、極度の不安を表します。会話の途中で相手がこぶしを握る場面をインサートすれば、シリアスな展開への予兆となります。
 しばしば顎や耳を触ったり、腕時計に手を置いたりするのも警戒や緊張の表れで、人物の神経病的傾向を暗示できます。
 一方、腕を組むポーズが拒絶を象徴するのは有名ですが、いくつか細分化されます。自分の体を抱え込むように腕組みすれば強い不安の表れで、胸を張って両腕を高い位置で組めば力強さのアピールです。時として挙動は言葉より雄弁となります。


PART.4 物語の流れを方向づける状態

PART.4では、
「本章のPOINT」
「死・仮死」
「病気」
「ケガ」
「不衛生」
「酔う」
「裕福」
「貧困」
「COLUMN4  もはや逃げ場なしの窮地に ドキドキハラハラする」
が取り上げられている。
ここでは、「死・仮死」「裕福」を紹介する。

NO.01 死・仮死 【し・かし】
[英:death, apparent death]

【意味】
死:命がなくなること。  仮死:死んだように見えるが、生きている状態。

【類語】
死:死亡 永眠 他界 逝去 往生 / 仮死:瀕死 危篤 半死半生

関連語と文章表現
・心肺停止状態に陥る
・呼吸が止まってもはや動けない
・とことんまで追い詰められて息絶え絶えになる
・命が途絶え空っぽの肉体
・出血多量で絶命する
・死んだように眠る
・食糧不足で餓死する
・鋭いナイフでめった刺しにされた惨殺死体
・若くして戦死した兵隊たち
・検察が導き出した死亡推定時刻
・不慮の外因による死
・瞳孔の散大で死が決定的になる
・脈拍が完全になくなった状態
・生死の境目を彷徨う
・仮死状態から奇跡的に蘇生する
・凄絶死を遂げた強盗犯
・業務過失致死で送検される
・死人に口なし
・法的に禁じられた安楽死
・死者たちの魂が眠る場所
・老衰で死去する
・増加する交通事故死
・尊厳死を選択する患者
・死んでお詫びする
・決死の覚悟でダイブする
・冥途の土産に聞かされた真犯人
・根強く残る他殺か自殺かの論争
・死をもって償う
・検死結果の報告を受ける
・死に至る病
・運転手の死角で起きた事故
・植物状態からの奇跡的な回復
・病に倒れて獄死した受刑者
・血圧低下によるショック死

‟死”をどう表現するかで相手へのリスペクト度合がわかる
 リスペクトがあるか否かで‟死”の語彙表現は大きく異なってきます。大前提としてその点を理解しましょう。
 具体的に説明します。とある小部屋に女性が仰向けで横たわっています。そこにはすでにひとりの男性Aが立っていて、別の男性Bが慌てて入ってきます。男性Bが口火を切ります。
「え? 彼女、ど、どういうこと? 何があったんですか?」

Ⓐ「永遠の眠りについたところです」
Ⓑ「お亡くなりになりました」
Ⓒ「息を引き取ったよ」
Ⓓ「死んだ」

男性Aの答え 4パターン

 読んでおわかりの通りⒶからⒹへ下がるにつれ、尊敬の念が失われています。小説ではふたりの男性のこの会話だけで、女性を含めた各々の性格や立場や関係がうっすら浮かび上がります。
「死」に対する表現ひとつで多様な意味をもたらす一例です。


NO.06 裕福 【ゆうふく】

[英:wealth]

【意味】
財産や収入が多く、生活に経済的な余裕があること。

【類語】
金持ち リッチ 富裕 有産 富貴

関連語と文章表現
・気持ちに余裕がある暮らし
・莫大な親の資産を相続した
・ストレスを感じたことがない
・世界中に瀟洒な別荘を所有して気分によって住み分ける
・億万長者といわれる年収を誇る
・毎日遊んで暮らしている
・生まれてこのかた、あくせく働いた経験がない
・何不自由なく生活する
・執事がすべてを世話してくれるので何も心配いらない
・ものにあふれた人生を送る
・一年中旅行して遊ぶ
・会社をいくつも所有している
・一度たりとも飲み物や食べ物に困ったことがない
・高級車を数台所有している
・つねに心に余裕がある
・ローンを組んだことがない
・いくつもの事業を成功させた
・真の幸せは金銭では計れないことを熟知している
・欲しいものはすべて手に入れた
・飛行機はファーストクラス以外乗ったことがない
・屈指の大富豪と結婚した
・誰よりも豊かな人生を過ごしている自負がある
・働かなくても一定の収入が入る
・誰にも束縛されない日々
・資産管理の法人を運営している
・すべての夢を叶えられた
・社交界の人と交際している
・ささやかな毎日であっても大いなる多幸感を覚える

‟裕福”な人を善の支持者にすると物語の幅が広がる
 資産や収入が潤沢で豪邸に住み、豊かな暮らしを欲しいままにする‟裕福”な人が悪者なのは、昭和以前のキャラ設定。
 令和の今ではしっくりきません。裕福であれば何不自由なく過ごせ、好きなことに打ち込めます。英才教育も受けられます。とすれば若いころから知見に富み、自分の可能性を信じられ、社会や親に対する感謝の気持ちも深いはず。つまり、拗ねて悪者に身を落とす必要性が見当たりません。そのまま成長して好きなことに邁進し、自らが望む道を生きればいいわけですから。
 このように考えるなら、「裕福」な人こそ善の支持者として、ヒーローを応援するか、あるいは本人が正義の味方になるべきでしょう。鍛錬して強くなることも、最先端IT機器を揃えることも、手練れのスペシャリストを雇用することだって可能です。
 古くからの固定概念を打ち崩し、自由に発想を広げることは創作の要。そこにオリジナリティを育むヒントがあります。


PART.5 漂う雰囲気を演出する情景篇

PART.5では、
「本章のPOINT」
「太陽」
「月」
「春」
「夏」
「秋」
「冬」
「朝」
「昼」
「夕方」
「夜」
「COLUMN5  周辺環境や時間帯の緻密な描写は必要ない?」
が取り上げられている。
ここでは、「太陽」「夜」を紹介する。

NO.01 太陽 【たいよう】
[英:sun]

【意味】
太陽系の中心にあり、地球からもっとも近い距離にある恒星。

【類語】
おひさま お天道様 日天 日輪 火輪

関連語と文章表現
・昇りくる朝日を背に受ける
・冬が近づくにつれどんどん短くなっていく日照時間
・久しぶりのお天道様を拝む
・空が朱色に染まる夕刻の一瞬
・さんさんと輝く夏の太陽
・目を開けていられないほど強い陽光にまなざしをすがめる
・太陽に向かって咲き誇る向日葵
・山間へと沈みゆく夕陽
・継ぎ目のない分厚い雲に隠れる冬の弱々しい太陽
・木々の間から差し込む木漏れ日
・夏の太陽で青い海がキラキラと照らされる
・雲ひとつない晴れやかな秋の空
・雲の切れ間から鋭く伸びるひと筋の陽の光
・日向でのんびりくつろぐ野良猫
・いつも洗濯指数を気にする母親
・晴れ間に雨が降ることを「狐の嫁取り」という
・照りつける日の光でゆらゆらと浮かび上がる陽炎
・日照り続きで水不足の河川
・ビーチサイドで日光浴を楽しむたくさんの海水浴客
・数年ぶりの猛暑に見舞われる
・激しい夕立の直後にくっきりと表れる見事な虹
・梅雨時期の貴重な晴れ間
・干ばつでひび割れる地面
・山道の積雪をゆっくりと溶かす春の日差し
・じりじりと体力を奪い去る灼熱
・待ち望んだ晴天に喜ぶ子ども

季節、時刻、雰囲気など多彩な切り口でイメージする
 日中の情景を描写するうえで欠かせない存在が‟太陽”です。
 季節、時刻、雰囲気、空気感、瞬間といった多彩な切り口で、その場のイメージをビジュアルに想起させることができます。
 しかも「太陽」には代替えするさまざまな語彙があり、前後の文意や状況によって表現を使い分けると、独特の深みと間を醸し出せます。以下に例を挙げてみました。

① 夕暮れどきの切なげな日差しがふいに届かなくなる。 
② 夏の陽光が頭上から容赦なくギラギラと照りつけてくる。 
③ ぽかぽかと穏やかな日向に佇むうち、自然とまぶたが重くなる。

 いかがでしょう? 情景にふさわしい語彙を選択することでぐっと情感が高まり、小説的余韻が加わります。特に長編小説では、こうした書き手の小技が作品の優劣を大きく隔てます
 ところがこのスキルには特別なノウハウなどなく、ただひたすら読書量を増やし、語彙力の知見とセンスを磨くしかありません。


NO.10 夜 【よる】

[英:night]

【意味】
日没から日の出までの、日が沈んで暗くなる時間帯。

【類語】
宵 晩 夜間 夜分 夜更け

関連語と文章表現
・高台から見下ろす美しい夜景
・野獣が徘徊する未明の森
・夜のとばりが街に降りていく
・深夜でも大盛況のネットカフェ
・雲ひとつない夜空にぽっかりと浮かぶスーパームーン
・夜勤のバイトに勤しむ日々
・ナイトプールで映える写真を撮影してSNSにアップする
・連日の深夜に及ぶ残業続きで過度なストレスを抱えた社員
・夜行列車でひとり町を出ていく
・不気味な雰囲気の深夜の公園
・流星群の観察で有名な南の島
・無数の明かりが灯るオフィス街
・著名な心霊スポットで仲間と肝試しにチャレンジする
・繁華街の路上で酒盛りする若者
・煌々と燃え盛る漁火
・夜間に犯罪が多発する住宅街
・年の瀬を感じる除夜の鐘
・タッチの差で終電に乗り遅れて途方に暮れる会社員
・さまざまな危険が伴う夜間飛行
・満天の星空を仰ぐ
・灯台の明かりだけを頼りに海原を突き進む一隻の漁船
・真っ暗闇になる僻地の山村
・狼は夜目が利くため危険だ
・夜だけ営業する人気ラーメン店
・キャンプで深夜の焚き火を見つめていると心が安らぐ
・月も星もない漆黒の夜
・意識が霞む徹夜明けの朝
・夜間でも視界を確保する軍仕様の暗視カメラ

物語創作では昼夜の特性を意識してストーリーのメリハリを
 闇と表裏一体の反対側が朝だと本パート167ページで書きました。‟夜”=闇という方程式を暗にほのめかしたのは、物語における昼夜の役割が暗黙の了解で線引きされているから。実際のところ、明け方や真っ昼間に、麻薬取引とか猟奇殺人とか銃撃戦が行われる作品は稀です。ダークな事件は必ずといっていいほど、とっぷりと日の暮れた夜の未明に勃発します。一方で見方を変えるなら、夜こそ善悪がしのぎを削って戦う修羅場となるわけです。 
 夜の描かれ方には別の顔もあります。いわずと知れたホラー系物語の主役、悪霊・化け物・妖怪といった怪異が跳躍跋扈する時間帯として盛り上がりを見せます。
 端的な2例を挙げましたが、物語創作では昼夜の特性を意識してストーリーのメリハリを考えましょう。「暗紛れ」「闇討ち」という語彙があるように、夜ならではの特殊性を活かせば波乱含みのダークな展開を閃くはずです。


実践してコツを掴むクリエイター語彙力検定

ここででは、
「感情編①」
「感情編②」
「アクション編」
「仕草編」
「状態編」
「情景編」
「回答編」
が取り上げられている。
ここでは、「感情編①」を紹介する。最後の回答編では秀島さんの模範解答が紹介されている。自分の書いた文章と比べて創作の参考にもできます。
また、最後には秀島さんの書いた「おわりに」という文章があります。秀島さんがプロの小説家を目指している頃、書き上げた長編小説をプリントアウトして推敲をしようとすると「同じ表現を繰り返し」していたことに気づき、応募を取りやめたというエピソードもあります。そこからプロの作家としてデビューするまで「状況に合わせた語彙選び」「言い換え表現の増強」を意識されたそうです。
同じような悩みがある人はぜひこの「語彙力図鑑」シリーズを読んで参考にしてほしいと思います。


『プロの小説家が教えるクリエイターのための語彙力図鑑 上級編』
著:秀島迅
日本文芸社(2024/12/20)
A5判・192ページ/定価:1,980円(税込)

小説、ライトノベル、漫画、シナリオなど
あらゆる創作活動で使える言葉の教科書!

ネットで話題になり、発売後即重版した人気作、
『クリエイターのための語彙力図鑑』第二弾!

今作はレベルアップ版として、
一冊目にも掲載していた感情に関する語彙をさらに細分化して解説。

例えば「怒り」といっても、
自分がなにかされたときの怒りと
家族や親しい人がなにかされたときの怒りでは
怒りの中に含まれる感情が微妙に異なります。

また、その怒りがどこからきているものなのかの理由や度合いによっても
「屈辱」「嫉妬」「殺意」などと細かく分けることができます。
本書はそのようにさまざまな感情についての語彙を幅広く掲載しているので、よりキャラクターの心情をリアルに描けるようになります。

そのほか、人間の「動作」「仕草」「状態」などに関する
語彙や類語表現、活用例を紹介。
プロの小説家ならではの視点で、
知っていれば創作活動で必ず役立つ語彙を厳選しています。
今よりもさらに人物描写や情景描写の質を高めたい人にオススメしたい一冊です。

担当者コメント
前作の『クリエイターのための語彙力図鑑』より
「感情」に関する語彙の幅を広げ、
さらに微細な人物描写ができるようになる上級者向けの一冊。

また、本書は人物描写をする際に使える語彙、
人間の「動作」「仕草」「状態」などに関する類語や活用例も豊富に収録。
キャラクターの言動を細部まで言語化する際に役立ち、
作品に躍動感やリアリティを与えることができます。

巻末には、書き込んで使えるクリエイターのための語彙力検定シートつき。

今より語彙力を高めたい人や表現の幅を広げたい人、物語にリアリティを加えたい人
必携の「言葉の教科書」です。

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