彼女が書いたページコメントは3.5万件|教えて! ヘビーユーザーさん|エブリスタ作家インタビュー
長編を何作品も並行して執筆し、『居酒屋まる』など書籍化されたヒット作品を複数生み出す。
そんなベテラン作家でありながら、毎日のように他の人の作品にページコメントを書いている作家がいました。
これまでに彼女が書いたページコメントの数は、計35,000件――。
monokakiの運営母体・エブリスタの10周年特別企画「教えて!ヘビーユーザーさん」。
今回突撃したのは、「千冬」さん。本業がありながら仕事に、書籍化作業に、執筆にコメントにと精力的に活動する彼女に迫ります。
止まったら死ぬサメやマグロのように活動を続けている
――書籍化、複数連載、そして3.5万件のページコメントと活動量がすごすぎるのですが、エブリスタで一番楽しかったことを教えていただけますか?
千冬:一番楽しかったこと……何ですかね? 毎日エブリスタにインするたびに楽しいので、一番と言われると、えーとえーと。
――毎日楽しい! 運営としては嬉しいです。日々どんな使い方をされていますか?
千冬:出勤前に夜から朝にかけて、他の方の作品の更新をチェックして、ページコメントをつけて。最後に自分の作品をちょっと覗いて、ついているコメントに「変なこと書かれてるー!!」って笑います。その後更新作業をします。
――他の人の作品チェック~執筆まで朝にされるのですか!?
千冬:はい、朝1時間、ほかにも昼間や夜、時間を見つけてまた覗きにきて……平日は合計2時間ぐらいでしょうか。たまに仕事中トイレに隠れて見てました、なんてことも。土日はもう少しエブリスタに浸っています。小説は常に2作同時進行、平日はエッセイもその日の朝考えて更新。最近はそれがパターンです。止まったら死ぬサメやマグロのようだとよく言われます。早く現実の仕事を辞めてエブ三昧したいです(笑)。
ページコメントは連鎖して広がっていく
――エブリスタで一番好きな機能は?
千冬:機能だけに絞れば、やはりページコメントでしょうか。コミュニティも好きですよ。毎日寝不足です(笑)。
――ページコメントのおもしろさについてもっと教えてください
千冬:コメントをくださる皆さん、本当に発想が豊かだなあと思います。短いコメントにもセンスのよいものが多くて。おもしろいコメントからさらに他の方のコメントが続く、そんなおもしろさを堪能しています。
――コメントが連鎖していくのですね
千冬:登場人物に誰かがページコメントで笑えるあだ名をつけて、他の人がそれに続いたり。読者さんが自分の作品を本当に楽しんでいることがとても伝わってくるからエブリスタをやめられないのかも(笑)。ほとんど中毒。
――ページごとに読者が自分の感情をスタンプを押せる、ページスタンプ機能もできましたが、こちらはいかがでしょうか?
千冬:「コメントを書く時間がない」「言葉を思いつけない」「でも、何かしら相手に伝えたい」そんなときにスタンプ機能があって良かったという声を聞いています。私自身としても反応がいただけるのはありがたいです。
――ありがたい一方で、ページコメントほどの盛り上がりがあるわけではない?
千冬:ページスタンプは、作品にのみ向けられている感じがしますが、ページコメントは会話に近いかもしれません。そこから交流が始まったり、コメントの連鎖が始まったり……言葉の力ってすごいですよね。タイムラグはあっても、同じ場に読者さんがいるようなライブ感があります。
――ファン層がしっかりしているアイドルはライブの盛り上がりもおもしろい流れになったりするのと同じで、ファンが多くて、さらにコメントの達人みたいな人が時々いらっしゃるから盛り上がるのですね
千冬:私以外にもページコメントにハマっている方はたくさんいらっしゃいますよ。エッセイ中心で活動されている方は特にページコメントを楽しんでおられる印象です。
絶妙な距離感が生み出す心地よさ
――これだけ精力的な活動を続けられた理由は何でしょうか
千冬:エブリスタは書き手と読み手の「距離感が絶妙」な気がします。顔も知らないし個別に深い交流をするわけではないですが、「あれ、年齢が一緒かなー?」みたいな気配をページコメントから感じたりします。実際に、エッセイの中で「エブの平均年齢底上げし隊」というものを勝手に立ち上げ、さらに「昭和ダヨ!全員集合!」というコミュニティへの参加を呼びかけてみたら、一気に隊員が100人くらい集まりました(笑)
――ページコメントで同年代ネタに反応されたりすると、気配でわかるわけですね
千冬:はい。似た感覚の人と繋がれることが、エブリスタのおもしろさのひとつかなと思います。作家間のトラブルについて聞くこともありますが、私はほとんど巻き込まれたことがないんです。
いろいろなジャンルに挑戦したい人に合っているサイト
――最後に、他サイトと異なるエブリスタならではのおもしろさについて教えてください
千冬:他とあまり比較したことはないのですが。主流のジャンルが絞られているサイトが多い中で、エブリスタは多様性があり、エンターテインメント色を強く感じるので、そこを楽しめる人にはぴったりだと思います。好奇心があって、いろいろなジャンルの作品を読む人や、ひとつのジャンルをとことん極めるだけでなく、いろいろなジャンルの執筆を試せることを楽しめる人。そんな人に、エブリスタは良い場所なのかと思います。
――確かに、主流のジャンル以外はNGという雰囲気はないかもしれません
千冬:私自身、ひとつのジャンルにこだわらずに書くことで、毎回修行させてもらっている感じです。エブリスタは、排他的でもなく、いろいろなジャンルを受け入れる雰囲気があると思います。若者から年寄りまで、ジャンルも幅広く楽しめるありがたいサイトです。手を合わせるくらい(笑)。
千冬さんの自薦作品
やはり初めて書籍化していただいた「居酒屋まるの一夜物語」(書籍タイトル「居酒屋まるの千夜一夜物語」1・2上下巻)でしょうか。
番外編やスピンオフ、さらにエブリスタ内なら自分の作品に何をしてもかまわないくらいの自由な気持ちで「偽・居酒屋まる」も書いてしまいましたし(笑)
既に完結していますが、今でもたまに番外編のネタがどこかから降ってくると、その都度書かせていただいています。
ボリュームがあまりにあまりなので、お薦めするのはあまりに申し訳ない仕様となっておりますが。(千冬)