自分にあった物語を! ジャンルごとの小説の書き方が分かる記事12選|小説の書き方/コツがわかる記事まとめ【2020年版】|monokaki編集部
「monokaki」では小説の書き方、おもしろい小説を書くコツなど、頭の中でくしゃくしゃになった原稿用紙をふたたび開き、物語の「つづき」に取り組みたくなる記事を提供してきました。特別編として全六回に渡り、小説を書く際のコツやテクニックがわかる記事をまとめたものをお贈りします。
「自分が書いている小説のジャンルって何?」「小説のジャンルの違いがわからない」というお悩みを持ったことはありませんか?
そんなあなたのために、ジャンルごとの小説の書き方が分かる記事をお届けします。
小説を書く前に一度自己分析をしてみましょう。まずは小説だけではなく、自分が好きな作品や影響を受けた作品を挙げてみましょう。また、どうしてその作品が好きなのかも挙げれるだけリストアップしてみましょう。
リストアップできましたか? 自分がどんなジャンルが好きなのか、どんなキャラクターに惹かれるのか、ツボにハマる物語のパターンがいくつか出てきたのではないでしょうか。
そうなれば書いてみたいジャンルを決めてみましょう。
エンタメ小説、純文学小説の書き方の違い
「現在商業出版においては、エンタメ小説と純文学の境目は「出してるレーベル/載ってる雑誌」でざっくり分けられている。例えば主な文芸誌、すなわち「文藝」「すばる」「新潮」「文學界」「群像」のどれかに載っていると、押しも押されぬ純文学扱いをされる。はずだ。」
大まかに分けて小説には「エンタメ」と「純文学」という二つのジャンルがあります。自分が目指したいのはまずどちらなのか決めるのに、この記事を参考にしてみてください。
純文学はWebにアップすべきか? 文芸誌の新人賞に応募するべきか?
純文学を書きたいあなたは、Webにアップするかどうか悩むことが多いのではないでしょうか。
「「老舗の新人賞を受賞した方が商業作家としてデビューし、文芸誌に作品を掲載、連載した後に書籍化される」という「従来モデル」が、まだ割合(ライトノベルやエンタメ文芸に比べて)しっかりと機能している」
Webで書くということは「読者の視線」を感じるということです。その時に著者と読者のやりとりも作品を生み出す上で重要なものになります。
純文学の新人賞などは公開したものは応募できないものが多いです。しかし、純文学系の編集者もWebサイトで「純文学」を書いている作家に注目もしています。これからチャンスは広がっていくかもしれません。
ジャンルも様々にわかれています。それぞれにシーンがあり、新人賞でも応募する際にはそのジャンルのお約束やお決まりなどもある場合もあります。
まずは好きなジャンルの作品をできるだけ読んでいくことで、お作法を身につけることが重要になってきます。それができるようになってから、あえて型を破って新しい手法や表現ができるようになることを「型破り」と言い、型ができていないうちにそれをやると「形なし」となってしまいます。ご注意を。
青春小説の書き方のコツ、主人公を成長させる理由
青春小説を書きたいときには、何に気をつければいいでしょうか。
「人が「アオハルかよ……」と思わず呟いてしまう瞬間。そこには「あまずっぱさ」「ほろ苦さ」という概念があるはずだ。甘さだけでない、酸っぱさだけでない、苦いだけでない、それらがマーブル模様を描く若者の物語に人は青春を感じているのだ。」
登場人物の変化するエモーションを丁寧に書くことで、読み手の感情が揺さぶられ、主人公の成長が感じられることが「青春小説」の大事な要素です。主人公がどんな人に出会い、出来事を体験したことでどう変化していくのかをしっかり描きましょう。
恋愛小説の書き方のコツ、プロットの立て方
恋愛小説を書くときに、押さえておきたいコツを紹介します。
「恋愛もセックスも殺人も宇宙戦争も異世界転生も、経験してなくても書ける。ぜんぜん書ける。書いていい。小説の本質とは妄想にある。やってないことや見たこともないようなものを、それっぽく作り上げることこそがフィクションの醍醐味なので、作者本人の経験値がどうであれ「書きたい」と思った瞬間から、諸君は恋愛を書く資格を有してる。」
基本の5W1Hに立ち返れば、簡単にプロットを組むことができます。また、著者の恋愛経験値はまったく関係がありません。あなたが体験したい「恋愛」をまず書いてみましょう。
BL小説の書き方のコツ、時代の変化を意識しよう
BL小説を書きたいあなたが、気をつけたほうがいいことは何でしょうか。
「プラトニックでもドスケベでも自分の萌えを叩きつけてほしい。構成のやり方や取材のやり方などの具体的なテクニックは今までの回で開陳してきた。あと必要なのは萌えである。純然たる情熱だ。それが一番BL執筆に必要なコアの部分だ。君が考えた最高のラブを、ノートやキーボードに叩きつけるんだ。」
同性愛者を取り巻く意識や環境の変化と共に、同性愛を描いた作品の内容やその受け止められ方も変わっていくことを意識しましょう。知らないで書いてしまうことで古臭さを感じたり、著者が現実を知らないことが読者に伝わってしまいます。一緒に『「恋愛」って何ですか?』で書かれていることも読んでみてください。
SF小説の書き方のコツ、設定をすべて書く必要はない
SF小説を書きたいあなたは、この記事を読んでみてください。
「「SFとは法螺話だと思っている」とは、筒井康隆先生の言葉です。この法螺話を成立させるためのロジック=真摯さがSFの醍醐味であると、私は思います。これは、テクノロジー系のSFだけに限った話ではありません。」
設定はしっかり考え抜くべきですが、そのすべてを文章で書く必要はありません。ただ、考え抜いてないと書き進めていく際に壁にぶつかってしまうことになります。書き進められなくなってしまう時は、設定などを詰めてなかったことが原因な場合が多いです。
ホラー小説の書き方のコツ、新しい恐怖を作り上げよう
ホラー小説を書くときに読んでほしい記事がこちらです。
「魅力的な恐怖の対象を作り上げることができれば、ホラーの勝負は半分決まったようなものだ。何にどこでどのように襲われたら一番イヤか、恐いか、自分の心によ~く問うてみることで、誰でもオリジナルなホラー・アイコンを生み出せる可能性を秘めている。」
ホラーはファンも常に新しい刺激、新しい恐怖を求めているので、怖がらせたいというエンタメ精神を持つ人にはピッタリでしょう。どんな時代でもホラー作品の映像化の大ヒット作があるように、いつも需要があるジャンルと言えるかもしれません。最近のヒット作品もよく考えてみると多少「ホラー」要素が入っているのがわかります。
ミステリー小説の書き方のコツ、トリックが浮かばなくても個性を活かそう
ミステリー小説を書いてみたい! でも、どこからトリックを考えたらいいのでしょうか。
「一番簡単なトリックの考え方というのは、まず死体を転がし、その人が誰にどうやって殺されたのか逆算して考えていくというものだ。」
オリジナルなトリックが思いつかないのではと不安という人もいるのではないでしょうか。安心してください、大丈夫です。トリック以外の部分で個性を出せそうなものを見つけて、それを作品に活かしていくというやりかたもあります。世の中には「バカミス」と呼ばれるものもあったりして、ミステリーも多様です。個性が出せれば突き抜けれます。
ファンタジー小説の書き方のコツ、『新しいファンタジーの教科書』を読めばわかります
和風ファンタジーから西洋ファンタジー。人気のあるファンタジーについての書き方についてはこちらのマガジンが参考になるはずです。ファンタジー世界を創る基礎的なものはこちらを読んでもらえればバッチリです。
ジュニアノベルの書き方のコツ、『ジュニア文庫を書こう』が参考になります
ジュニアノベル、ジュニア文庫などとも呼ばれる、小学校高学年を中心にその前後の年齢を対象とした子ども向け小説ですが、こちらもジャンルのひとつとして考えてほしいです。実は年々読書量は減っていますが、朝読などもあり小学生の読書率は上がっていて注目のジャンルです。
細分化する小説のジャンル、キャラクター文芸とはなにか?
キャラクター小説とかキャラクター文芸ってよく聞くけど、何だろう? という方も多いかもしれませんね。
「「キャラ文芸」は文字通りキャラ主体。マンガみたいな主役キャラがいる。「ライト文芸」は、普通の学生のちょっと不思議な現代青春もの――いわゆるキラキラムービーみたいなイメージですよね。
こうしたジャンル分けが必要かどうかは意見が別れるんですけど、検索のためのタグとしては重要だと思います。」
もし、書き始めてからジャンルに迷うことがあるなら、それはなにかがうまくいってない時かもしれません。海猫沢めろんさんと『熊本くんの本棚』でデビューしたキタハラさんの対談はモチベーションの話もされているので必読です。
ジャンルとはなにか? 自分が何を書くのかは最初に決めよう
一体、小説のジャンルとは何なのでしょうか。何のためにあるのでしょうか。それを知ると、もうジャンルは怖くありません。
「書籍化されればどこかのジャンルの本棚に置かれ、そこで戦うことになるわけで、それを自覚して書くことにはメリットがあります。
どんなメリットがあるのかというと、そのジャンルのことを調べれば、すぐに最大公約数的な好みや、やってはいけないこと、もうすでに存在するパターンなどがわかります。」
最低限、毎回自分でジャンルと目標を作って書きましょう。書店の本棚を見れば「ジャンル」は見えてきます。書籍化されればどこかの本棚に置かれて、そこで戦うことになります。
自分がどのジャンルなのかを意識することのメリットは、そのジャンルの最大公約数やお約束ごとがわかるという点です。自分が戦いたいジャンルをひたすら読んでいく中で、自分がどこに向かうべきか、戦える方法があるのか、足りていない部分がわかります。
「monokaki」は、エブリスタが運営する「物書きのためのメディア」です。