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Q.自分が書いている小説のジャンルがわかりません|海猫沢 めろん

こんにちは。海猫沢めろんです。
PNの由来とか説明するのが面倒なんでそろそろ改名したくなって10年以上経ちました
でもみんなが早く改名しろと言うので絶対したくないです。

さて、今回から始まった新コーナー「生き延びるためのめろんそーだん」ですが、わかりますか。メロンソーダとめろんそーだんがかかってるんですよ。おもしろいですね。なあ。おもしろいだろ。なんで笑ってないんだよ。笑顔の作り方がわからないのか? 俺のナイフで笑顔にしてやろうか。俺はエンターテイナーだからな。おまえらを笑顔にするためなら手段を問わないんだよ。OK?
わかったら俺が何を言っても笑え。

まあそれは置いといて、今回は読者からのお悩みに答えるコーナーです。創作に限らずなんでもお気軽に相談してくださいね。無駄に人生経験豊富なぼくが、いろいろな相談に答えます。一応創作がらみだといいですけど、創作じゃなくてもトルエンで脳が溶けて暴力をふるってくる友達との縁の切り方とかそういうものでも大丈夫です。

「タイトルが思いつきません」といった創作のお悩みから、「就活するか作家になるか悩んでます」といった人生のお悩みまで。フォームから気軽に応募してください。

人称や文体と、「書籍化のしやすさ」は関係ない

さて、第一回目の記念すべき相談はこちら。

今月の相談者:さつきなさん(24歳・自由業)
執筆歴:1年未満(二次創作含めると10年)
ご相談内容:一人称で書くのが好きなのですが、一人称で書籍化は難しいでしょうか?
自分の作風もなかなか見つけられません。ジャンル設定も苦手で、自分が大きく分けた小説のジャンルのどこに位置するのかもわかりません。

整理すると、

1)一人称で書籍化は難しいか?
2)作風がなかなか見つけられない
3)自作のジャンルがわからない

というところでしょうか。順番にいきましょう。


1)一人称で書籍化は難しいか?

難しくありません。
人称や文体と書籍化は無関係です。
むしろラノベはほとんどが一人称です。

こうした疑問が出てくるということは、さつきなさんはご自分の文章に対して、「なにか書きづらいな」「これでいいのかな」という違和感があるのかもしれません。
だとしたら、しっくりくる文体を探して他の書き方を試してみてはいかがでしょう?
オススメは日記やエッセイなどを書いてみることです。話すように、流れるように書けたら、その文体で小説を書いてみるのが良いと思います。

2)作風がなかなか見つけられない

これは悩みますよね。ぼくもいまだにすごく悩んでます。
しかしぼくが10年以上物書きをやってきてわかったのは……作風に悩むのは意味がないということです!
それは他人が勝手に決めることです。わからないのはむしろいいことだと思いましょう。


手当たり次第に読んで、好きなジャンルを見つけよう

3)自作のジャンルがわからない

これも勝手にジャンル分けされます。
ただし、「作風」は見えませんが、書店の本棚に行けば「ジャンル」は見えます
書籍化されればどこかのジャンルの本棚に置かれ、そこで戦うことになるわけで、それを自覚して書くことにはメリットがあります。
どんなメリットがあるのかというと、そのジャンルのことを調べれば、すぐに最大公約数的な好みや、やってはいけないこと、もうすでに存在するパターンなどがわかります
わかったからといって面白い作品が書けるわけではありませんが、なにも指針がない状態で書き続けるよりはマシです。

ジャンルがわからないから自分の好きなように書く、あるいは、わからないままジャンルをえいやっと決めて書くという方法は遠回りなのであまりおすすめしません。
最低限、毎回自分でジャンルと目標を作って書きましょう
ぼくも自分の作風はわかりませんが、毎回ジャンルだけは決めて書いています。

ちなみに、自分の書いてる作品のジャンルがわからない、という悩みは、読書不足や勉強不足によって引き起こされることが多いです。

・いろいろな作品を手当たり次第に読む
・「これは書きたいものに近い!好きだ」というものを集めて分析

これをやっていればだいたいジャンルや自分が書きたいものがわかるはずです。

さつきなさんの作品を何作か読ませていただいたところ、「心理描写」に注目した作品が多いようなので、ジャンルを「ミステリ」や「恋愛もの」に絞って読み書きをしてみるのはどうでしょう?(なんとなく湊かなえ『少女』とか、お好きなのでは? あるいはティーン向けのミステリなど)

「書籍化されたい!」という目標をお持ちのようですので、今後も向上心を持って研鑽を積んでいただきたいと思います。
人生は長いです……いろいろな作品を読みながら獣道を進んでいきましょう!


*本記事は、2019年05月21日に「monokaki」に掲載された記事の再録です。

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