ものかきが育てた文房具。デジタルメモポメラ「DM250」インタビュー|monokaki編集部
プロの作家に熱狂的なファンが多数いるというガジェット、それが「ポメラ」。前機種「DM30」から4年ぶりの新機種「DM250」が7月29日に発売になりました。発売が発表されるやいなや、SNS上では「ポメラ」ユーザーたちを中心に「DM250」へ多くの期待の声が挙がり、人気の高さを改めて証明しています。
「ポメラ」はインターネットに接続できない、文章を書くことに特化したデジタルメモ。2年前に「monokaki」編集部は販売元の文具メーカーであるキングジムさんにお話を伺うことができました。
エブリスタユーザーの中にも「ポメラ」ユーザーがいるという話も聞きます。また、定期的に開催している「未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン」では、以前は「DM30」が大賞受賞作の賞典になっていました。「DM30」の販売終了後からは、「DM200」が賞典となっています。こちらも10月以降からは「DM250」へ移行する予定なので楽しみにしていてください。
新機種が発売となったこのタイミングで再びお話を聞きたい、と取材をお願いしたところ、快く取材OKのお返事をいただき、キングジムの電子文具開発部の清水翔平さん、広報室の稲葉大力さんにたっぷりと「DM250」についてお話を伺うことができました。
ハイスペックで書くことに特化したデジタルメモ
(DM250と開発用の透明モック)
――ポメラ「DM250」の発売おめでとうございます。発売が決まってから、Twitterなどでユーザーさんたちから大きな反響がありました。前作「DM200」から今作「DM250」は発売が6年空いていますが、今回の発売時期は最初から決まっていたのでしょうか?
清水:ありがとうございます。本当はもう少し早く発売できるかなと思っていました。しかし、コロナの影響等もあり、結果的に今年の7月末に発売することになりました。
――「DM250」の開発自体はいつ頃からスタートされていたのでしょうか?
清水:「DM200」が発売されたあと2018年6月に「DM30」という折りたたみできる機種が発売になりました。そのあとで順番というわけではないですが2020年ごろに「DM250」の開発が始まりました。
「DM200」は順調に売れていたのですが、発売から時間が経ってしまい、仕様自体が古くなってきてしまっていたこともあり、「DM250」としてそろそろアップグレードしたいという気持ちもありました。
稲葉:以前は「DM200」と「DM30」を併売していたんですが、「DM200」のほうが価格は高かったのですが売れました。ポメラ自体は買い替えの需要が多く、新規で新しくポメラを買うという人はそこまで多くないんです。併売していく中で、ポメラユーザーの方は価格よりも、書くことにより特化したよりハイスペックな機種を望んでいるというのがわかったんです。
――買い替える方は新機種が出るまでに何度か買い替えているものなんでしょうか?
稲葉:ポメラは耐久性がかなりあって、まだ「DM100」を使っているという方も見かけます。それだと十年ぐらい使っていただいている形ですね。
清水:「DM200」からはリチウム電池になったんですが、スマホみたいに毎日充電する必要もないですし、文字を打つだけなのであまり電池も減らないんです。
――ガジェットとしては「DM30」の折りたためる形はカッコよかったですが、中身の容量や長期で書くということを考えるのであれば、「DM200」を多くの方が使っている印象があります
清水:搭載しているATOKも「DM100」から「DM200」へと大きく変わっています。「DM30」はおなじ電池駆動である「DM100」と同じATOKを積んでいて、変換性能がかなり違うものなので「DM200」は文章入力専用機であるポメラの進化としては正統派な部分がありました。
――価格のことも気になっている方がいると思うので聞かせてください。「DM250」は「DM200」と比べると本体価格が高くなっています。コロナパンデミック以降に半導体が不足しているという話もありますが、その辺りが関係しているのでしょうか?
清水:はい、価格に直にきているのは半導体や液晶などの機材が高騰していることが一番大きな要因です。iPhoneなども値上げをしていますが、ポメラも例にたがわずというか。うちとしてはポメラは安くして出したいのですが、半導体などは納期もかなり伸びていますし、単価も上がってきているのが実情です。
――「DM200」の後継種である「DM250」の一番の売りを教えてください
清水:ポメラ自体の売りを考えると文章を書くことに集中できるということが一番で、他の機能が付いていないこと、開いたらすぐに使えることがユーザーに支持されていると思います。
「DM250」は「DM200」からマイナーチェンジした機種ではあるので、外見上はほとんど変わりません。「DM200」自体の完成度が高く、ユーザーからの評判もよかったのでそこを踏襲する形で考えました。
より書きやすさを考えた時に、キーボードはとても大事な部分と考え、今回もかなりこだわりました。また、バッテリーの持ちが18時間から24時間に増えて、文章を書ける文字数が二倍の20万字になりました。そして、最近はほとんどの製品ではType-Cの充電になっているのでそこに規格を合わせています。「これがひとつ売りなんです」という感じではなく、全体的に書きやすさをさらに追求したものとなっています。
――今回発売を発表してからいろんなユーザーさんたちの声があると思いますが、会社としてこういうことを言ってくれるんだとか、この反応は嬉しかったというものはありますか?
清水:個人的には想像以上の反響があり、嬉しい反面、驚きました。ファンの多い商品だということもあるんですが、私自身も開発担当としてはじめてポメラ携わったということもあると思います。
――清水さんが今回ポメラ開発に携わるのが初めてだったということですか?
清水:ほかの製品も担当していますが、ポメラというシリーズを任されたのが今回が初めてでした。社内社外の反応からポメラって改めてすごい製品なんだなと感じました。
稲葉:最初のポメラDM10が出た時に発表会を行ったのですが、メディアの方々をお呼びし、実機をお渡ししたことで、波及したという経緯があります。まさに記者や編集の方々にぴったりな商品だったので、とても良いレビュー記事をたくさん上げていただきました。今回もそれを継続し、発表会を行い実機を触ってもらいました。当時と比べるとSNSが一般的になっているので、そこからの反響も大きかったです。
反響に関しては、ポメラは弊社の商品の中でも著名な方に多く使っていただいていることも大きいです。発信力のある方や小説で賞を取られている作家さんが普通にタイアップとかではなく、使っていると紹介していただいていたので、物書きの方々にも信ぴょう性が増してポメラの良さが伝わっていたんだなと感じています。
一番大事なキーボード部分の進化
(色の検討のために機体の半分がブラックとグレーになっているサンプル機体)
――さきほどお話に出ましたがATOK(*スピーディーで誤りのない入力を実現する日本語入力システム)も前の「DM200」からバージョンの変更はあるのでしょうか?
清水:「DM200」からノートパソコンなどに積んでいるATOKと同等の仕様になっていて、今回はそれをベースにして「DM250」の入力システムを作りました。前機種を踏襲しながらそこにプラスで校正支援等が入っている形になっています。
慣用句を間違えたりしても「誤りじゃないですか」と指摘をしてくれます。文章を打っていて自分では気づかず間違えて覚えているものなども指摘してくれますので、より正確な文章作成が可能になりました。
――校正支援機能については解除とかもできるんですか?
清水:校正支援機能はオンオフができます。人によっては煩わしく感じてしまうかもしれませんが、バーッと文章をずっと書いていると間違っていても気づかないものなので、そういう方には便利かなと思います。
また、ポメラ自体は通信しているわけではないので本当に通信環境が良かろうが悪かろうがポメラの入力パフォーマンスはずっと保てます。
――どこでもパフォーマンスが変わらないというのは文章を書く上で大事なことですね
清水:通信環境に依存しないということもポメラらしさかもしれません。
――親指シフト(*日本語の「かな」を入力するためのキー配列規格の一種。かな2文字を1個のキーに割り当てていることが最大の特徴)のユーザーさんからの反応は届いていますか?
清水:まだ、発売したばかりなのでそこまでわからないのですが、親指シフトを使う人は熱烈な親指シフトファンみたいな方が多い気がしていて、一方で現時点では親指シフトを使える新製品自体が世の中から無くなってしまった状態に近いということもあり、SNS等をみると一部で歓迎頂いている様なコメントもみます。
元々富士通さんが入力ソフトを出して下さっていたのですが、そのサポートもサービス終了してしまい、親指シフトのキーボードも製造中止になって手に入らなくなってしまった。そんな中でまだ使っている方はポメラの親指シフトに期待してくれている方もいらっしゃるのかなと思います。ポメラユーザーの中でもごく一部かと思いますが、そういうユーザーのニッチなご要望にも対応していく。これでしかできないというのもポメラのひとつの魅力ではないでしょうか。
――清水さんはもともと親指シフトを使われていたのでしょうか?
清水:今回は私自身もポメラを開発するにあたって親指シフトで打てるように練習しました。専用キーボードで快適に入力が出来るようになった上で、どうすればポメラの親指シフトがより入力しやすくなるかと考えて、新しい配列を提案させていただきました。
――ニッチと言えばニッチですが、届く人には確実に届く部分ですよね。他の企業が見捨てていったものを拾い上げてくれている。そういう部分がポメラのブランドの価値や信頼にも繋がっていると感じます
清水:やはりポメラには歴代の機種を使っていただいているファンの方も多く、買い替え需要も大きいので、使ってもらっているお客さんの期待には応えていかないといけない。今まであった便利なものが無くなってしまったというガッカリ感がないようにしたいという気持ちが強かったです。
――今までの機種を利用していた方からキーボードの打ち味とか感触などについての声は届いていたりしますか?
清水:いい反応が多いかなと思います。前の「DM200」のキーボードはV字ギアリンク構造でした。今回の「DM250」はその構造とは違うんですが、ポメラの一番大事な部分がキーボードなので押し心地をいろいろと試しました。チームのメンバーや社内の人にも試してもらったり。皆さんこだわりがあるのでその声も参考にしています。
――打った返りだけではなく、長時間打つ人だとキーボード次第で作業時間や集中力も変わってきますね
清水:機体の中に入っているパンタグラフキーボード(キーにX字型の軸を採用し薄型化を実現したもの)がぐにゃっとするのが嫌な人だったり、ポコポコするような感触がほしいなど色んな声がありましたね。その中でいろいろと試して一番いいと思ったものにしました。
――最終的には清水さんがこれだというものに決定したんですか?
清水:実際には他のメンバーと相談してある程度みんなが納得する仕様に決めました。あとはキーボードがどれだけ良くても、機体の中がガチャついたりすると打ち心地がよくないので全体のバランスを大事にしています。
――このスケルトンだとキーボードの下に板金が入っているのがわかりますね
清水:これはキーボードを含めて中の構造などを見てわかりやすくするためのサンプルです。
――板金はキーボードの返りというよりは安定感のためですか?
清水:そうですね。内部の板金のかたさや重さも安定感を保ってキーボードを支える面で大事な部分になってます。今回はキーボードを変えるというよりも板金も含めて全体的な構造を調節していった感じです。
――「DM200」を使っていた方からすると、その効果もあって打ち味がよくなったという反応でしょうか
清水:そういう人が多いです。一方で前の方がよかったという方はもちろんいると思います。前作の「DM200」はボタンを押すとカチャカチャと音がします。今回の「DM250」はポコポコというか、音が以前と比べるとあまり響かなくなってます。ここは好みが分かれるところだと思います。
――(「DM200」と「DM250」を押し比べてみて)「DM250」の方が押した感触が言われたようにポコって感じがします。昔のキーボードみたいな感触が好きな人は「DM200」のほうが好きかもしれないですが、新機種のほうがずっと長く打てるように感じますね
清水:キーボードは大事なところなので何回も試作して打ち心地を検討したので、ぜひ「DM250」を使って打ち心地を試してもらいたいです。また、「DM250」はスマホのBluetoothキーボードとしても使えるようになっているので使ってみてください。
ユーザーの声と実際に使っている自分たちの声を反映した新機能
――今回はポメラ専用のスマホアプリが刷新されています。こちらについても教えてください
清水:今回のアプリはiOSだけでなく、androidにも対応しました。一度書いた情報をアプリに入れてもらって、そこからドロップボックスやグーグルドライブなりに移せる形になっています。
以前は「ポメラQRコードリーダー」というアプリがあり、QRコードで読んでもらう仕様だったんですが、2016年当時と比べてもネットに小説をアップする方が増えたこともあり、利便性を上げてさらにユーザーさんに使ってもらえるようにとアプリを開発しました。スマホからポメラに文章が送れるような機能もついてます。
――互いに送受信できるのは非常にうれしい機能です。アプリがハブとなってデータが移行できるとよりポメラを使いたくなります
清水:よりユーザーさんが使うシーンに合わせていったというのが今回のアプリの進化になります。当初はポメラからスマホへの一方通行のみの仕様を検討していましたが、ポメラから無線で送れるようになったのであれば、なぜスマホから送れないのと言われるだろうなと思って、というか自分がユーザーだった絶対思う気がしたので逆算し、仕様を追加しました。
稲葉:「DM200」には「ポメラ Sync」というスマホと連携できる機能を搭載していましたが、iPhoneでしか使えなかったんです。あと、設定が大変でわかりにくいという声もあったのでそれが課題でした。それらを改善するために新しいアプリを作ることでより簡単に手軽に使ってもらいたいという思いがありました。
――他に新しく追加された機能はどんなものがあるでしょうか?
清水:今回バックアップとゴミ箱の機能を追加しました。書いた文章を間違えて上書きしてしまった場合、一つ前の自分で上書き保存したもののバックアップを常に取っている状態になっています。あとはゴミ箱に関しては、もともとポメラから消したら完全に削除される仕様だったのですが、パソコンと同じように削除したものを一度ゴミ箱に入れているという仕様になりました。
バックアップもゴミ箱も本体のメモリーとは完全に切り離しているので、本体が1.3ギガメモリありますが、ゴミ箱が増えていってそちらを圧迫するということはないんです。
――ゴミ箱やバックアップについてはユーザーからの要望があったのでしょうか?
清水:ありました。また、自分たちが使っていても議事録などをポメラで取ったりするのでそういうときに間違って消したり上書きしたりすることがあったので、いちユーザーとしても機能を追加したいと思い実装しました。
――「DM250」から脚本や台本を書くのに特化したシナリオモードが追加されていますが、こちらはどういうきっかけだったんでしょうか?
清水:ポメラを使っていただいている方の中には脚本を書かれている方であったり、芸人さんでコントなどシナリオ的なものを書くのに使っている方もいるという話を聞いていたので、そういう方々にも使いやすいように搭載しました。
――その場合はシナリオについて勉強をしてから、シナリオモードを入れるならこういう形にしたいという感じだったのでしょうか?
清水:私自身があまりなじみがなかったので、まずシナリオというものがどういうものなのか、というところから始まりました。実際にどうやって書くのかを調べたりして、それをポメラに落としこむことが必要でした。使い勝手をどう調節していくのかを考えながら、ポメラでシナリオを書く人にも使いやすくなるようなところに向けていきました。
ただ、今回のシナリオモードって使い方はポメラ寄りになっているんですね。元々あるポメラのアウトラインの機能に近い仕様になっていて、実際に使いやすいということが大事なので、あまり複雑な機能にはしませんでした。使った方の反応も聞いてみたいです。
(発売後即完売したオンライン限定モデル)
――若い世代のユーザーさんからの声などはありますか?
清水:年齢まではSNSなどで見て判断するしかないのでなんとも言えないですが、ポメラ「DM100」と「DM200」は真っ黒で“ビジネス”っていう印象が強くて、でも実際には趣味で使っていただいている方も多かったので、今回それを変えたくて、色を淡く、グレーにしました。
キングジム公式オンライン限定ですが、ホワイトモデルを出したのは若いお客さんや、ビジネスから離れてポップに気楽に使ってもらえるようにしたいという気持ちが強かったです。
――台数限定のホワイトモデルはすぐに完売しましたね
稲葉:250台限定でした。オリジナルのケースと保護フィルムがついていて、通常版の本体のみと同じ価格で販売したのでお得なセットだったんですが、24時間も経たないうちに完売しました。もっとたくさん用意しておけばよかったと後悔しています(笑)。
――今回の通常版モデルの出荷台数というのはどのくらいなんでしょうか?
稲葉:販売目標数量は、年間8000台です。
――以前はいろんなコラボをされてました。今後限定版などカラーバリエーションなどを出される予定はありますか?
清水:今のところ予定はないのですが、要望が多ければ今後検討したいと思います。
集中してストイックに書けるのがポメラの一番の強み
――文章を書く際にパソコンだったり、スマホだったりするとSNSやネットを見てしまうから、ポメラを使っているという方も年々増えている印象があります
清水:情報やSNSがどんどん増えていって、見なきゃいけないものや、見なくてもいいけど見てしまうものが増えてます。ポメラみたいな単機能の商品は今の世の中だと減っていっていますよね。ポメラは最初は便利ガジェットとして出てきたんですが、だんだんその認識も変わっていったと思います。
――「ポメラ」は08年に発売されてから今年で14年です。世界やSNSの方が変化していったことで、ポメラは書くことに集中したい人にとってより大切なものに、他にはない個性的なものとして年々認識されるようになっています
稲葉:発売した当初は想定していなかった部分ですね。ネットに繋がらないしメールもできない、文章を書くだけのデジタルメモ。当時のパソコンはまだ起動に時間がかかっていたので、コンパクトで起動が早いという点をメインで推していました。
かつてはネットもメールもできないというのはネガティブな要素として捉えられていた感じがありましたが、今になるとそれがポジティブなものとして見られるようになってきました。
――ポメラ自体の本質は変わっていないのに、価値観が時代によって反転したというのはおもしろい状況ですね。今回新製品が出ると発表されてからSNSであれだけ盛り上がるというのは近年あまりなかったと思います
稲葉:あの感じは久々でした。とても嬉しかったですね。リリース直後は、SNSや5ちゃんねるでポメラのエゴサをしていた社員が多かったです(笑)。
――今後の「ポメラ」について教えてください。また、「DM250」以降を開発されるとしたらこの機能だけは取り入れたいというものはありますか?
清水:製造委託先に細かいわがままを聞いてもらって「DM250」は完成しました。なのでかなりやりたいことはやれたかなと思ってます。個人的には今後も文章を打つというところを尖らせていきたいという気持ちはありますね。発売したばかりなので、使ってもらったお客さんからいろいろご意見をいただいて、その中で進化していくのがポメラにとっては一番いいんじゃないでしょうか。
最初に半導体の話がありましたが、価格帯をもっと安くしたいというのはあります。安いモデルではないですが、「DM30」「DM100」の系統モデルで電池使用でATOKもローエンドで使いやすくて、学生さんなどにも気軽に使ってもらえるものもやってみたいという気持ちはあります。
――子供でも簡単にキーボードで文章が打てるようなモデルもあるとうれしいですね。値段に関しては単純に日本人の給料が30年近く上がっていないという問題にも直結もしてますが
清水:本当はもっと安くしたいという気持ちは常にあるんですが、中々満足のいく仕様でと考えると難しいですね。ただ、やっぱり「DM250」に関しては中途半端なものは作れないと思っているので、高くてもいいものを作るという方向で進むのが正しいのかなと思います。
――ポメラをずっと使っているユーザーさんが新機種が出たら買って使いたいというものを維持しながら出していくという形ですね
清水:ユーザーさんからいろんな意見をいただく中で、「ポメラとはなにか?」とみたいなことを常に私たちが意識していないといろんな方向に引っ張られてしまうので、そこは開発する上ですごく大事なことだと思ってます。
どういう意見に耳を傾けるか。何をやったのかではなく、何をやらなかったのかということもポメラという製品の魅力に繋がっていると思いますし、それを大事にしていきたいです。
――最後に小説を書いている人に向けて「ポメラ」を使うメリットやセールスポイントを改めて聞かせてください
清水:勝手なイメージですが、小説は自分の中から沸いてくるものを思うがままにアウトプットするものだと思いますので、情報が外から入らないことで集中して書けるというのがポメラの強みだと思います。
実際にポメラはネットにも繋がらないので引用ができないんです。それができるようにしてほしいという声もありますが、逆に自分の力で書くしかないというストイックなところも小説を書く方に向いている部分なのかなと感じます。
小説を書く方に合う合わないはもちろんあるとは思いますが、文章を書くということに真剣に向きあいたい方にはすごく良い商品だと思います。
今後ポメラで書かれた小説を読めることを楽しみにしています!
『pomera DM250』
最高の「書く」を味わえるツールとして、作家やライターなどプロにも愛される「ポメラ」がさらにパワーアップ。約24時間の連続使用、USB Type-C対応、充電確認用LEDを搭載し、ハードウェア面での充実を図りました。ソフトウェア面では、ATOK校正支援機能を強化し、脚本や台本の作成に適した「シナリオモード」も追加。様々な機能のアップデートをおこない、より効率的な文章作成をサポートします。
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