「エブリスタ便り」は、小説創作プラットフォーム・エブリスタのスタッフが交代でお届けするコラムです。

エブリスタのスタッフならではの知識や見解を使って、皆さんの執筆に役立ちそうなあれこれをお伝えしていきます。

今回のテーマは「小説投稿サイトの収益化機能」です。そして、2024年7月から新しく始まったエブリスタの創作支援プログラム「スターギフト」についても深堀りしていきます。

エブリスタが始めた「スターギフト」は、いわゆる「投げ銭型」の収益化機能です。お気に入りの作品に「スターギフト」を贈ると、クリエイターへ収益が還元され、創作活動を支援することができます。また、スターギフトを贈ったユーザーはさまざまな特典を受けられます。
※クリエイターが受取設定をしていない作品には、スターギフトを贈れません

他小説投稿サイトとの作家収益化機能の比較・説明、「スターギフト」の贈り方と受け取り方は？　また、なぜエブリスタが「スターギフト」を始めるのか？　スターギフトの実装に至った経緯や運営としての思いについてもお伝えします。

小説投稿サイト各社の作家収益化機能

エブリスタの「スターギフト」も含めて小説投稿サイト各社の作家収益化機能について説明と比較をしてみます。

「小説家になろう」　→　収益化システムはなし。今後実装予定とのこと

「カクヨム」　→　収益タイプは「広告収入型」と「投げ銭型」の二つ
「広告収入型」は投稿作品の閲覧数、その他カクヨムが定める基準に基づいて計算されるスコア（アドスコア）によって決まる。
「投げ銭型」は月額料金制サービス「カクヨムサポーターズパスポート」を利用している読者が、好きな作家にギフトを贈ることができる（一カ月ごと更新）。
「受け取り方法」は現金振り込み(3,000円分から交換可能)とAmazonギフト券に交換(500リワードから交換可能)の二つ。

「アルファポリス」　→ 「広告収入型」(現在100％収益還元)
広告収入を投稿インセンティブで還元し、投稿者に分配。
「受け取り方法」はAmazonギフト券に交換(100円から交換可能)、楽天銀行：楽天メルマネで現金に交換(1,000円分から交換可能)。Ameba：ドットマネーでギフト券・電子マネーに交換(1,000円分から交換可能)。アルファポリス：アルファコインに交換(60円分から交換可能)の四つ。

「エブリスタ」　→ 「投げ銭型」(スターギフト)
「スターギフト」は1個100円(税込110円)の「スターギフト」をサイトで販売（使用期限は6カ月）。読者は「スターギフト」を購入し、好きな「作品」宛てに送ることができる。
ギフトを使った読者はお礼コメントやサポーター制度、スターギフト特典エリアの解放などを受け取ることができる。
受け取った「スターギフト」は月末に集計され、ギフトの数やサイトでの活動に応じて「エブリワード」として付与されます。貯まったエブリワードは、1リワード=1円で換金可能です。331リワード以上で銀行口座への現金振り込み申請を行えます。

エブリスタの「スターギフト」は他社の作家収益化機能よりも後発のサービスとなりますが、現状で他のサービスと違うのは「スターギフト」を1個から購入することができ、それを好きな「作品」に送ることで作家を応援できるという部分です。
「投げ銭型」としては「カクヨム」の月額料金制サービス「カクヨムサポーターズパスポート」がありますが、「エブリスタ」は月額制ではない点と、作家ではなく作品に贈ることができる部分が大きな違いになるかと思います。

ひとえに作家収益化機能と言っても、それぞれの投稿サイトがその特色にあったサービスを提供しています。
ユーザーの皆さまも、ご自身の価値観に合ったものを見つけて使っていただければと思います。その際に、「スターギフト」がその候補の一つになったり、頭に浮かんだりするとうれしいです。

「スターギフト」をもらう方法

「スターギフト」は読者から作家への応援の気持ちが伝わることを軸に機能設計しています。「スターギフト」を贈ると、読者は作家から以下の「サポーター向けコンテンツ」を受け取ることができます。
「サポーター向けコンテンツ」はファンクラブ特典をイメージすると、自分がもらえるとうれしいコメントやコンテンツの内容を考えやすいでしょう。「スターギフト」をたくさんもらっている作家を参考にしてみるのも一つの手です。

①作家からのお礼コメント
　作家の方が設定した、作品ごとのお礼コメントがメールで届きます。

②サポーター制度
　「スターギフト」を贈った読者はその作品の「サポーター」となり、ニックネームが作品のトップページに掲載されます（匿名も可能）。

③スター特典の全解放
　作品にスター特典が設定されている場合、スターギフトを1個以上贈ることで、スター特典を一気に全解放することができます。

これらを考慮すると、「スターギフト」をたくさん受け取るための3つのヒントが浮かび上がってきます。

①「お礼コメント」をリッチに！
　最近の活動報告や執筆の裏話、作品の隠れた設定など読者が気になる内容を盛り込んでみましょう。定期的に更新するのもおすすめ！　お礼コメントのファンも増えてくるかもしれません。

②スター特典を作成しよう！
　「スターギフト」はスター特典の解放にも使えます。読者が読みたくなるスピンオフや番外編・後日談などを作成して作品の魅力をさらにアップしてみましょう！

③作品の更新はこまめに！
　読者を増やしてスターギフトをたくさん受け取りましょう。読者を増やすには作品の更新をこまめに行い、アクティブな読者を獲得しましょう。

「スターギフト」をもらうことも大事なことですが、書き続けられること、書いたものを読んでもらうためには更新の頻度や一回の長さなども関係してくるので、「monokaki」の過去記事も参考にしてみてください。

エブリスタが収益化機能として「スターギフト」を始める理由

「エブリスタ」には、これまでに多くのユーザーの方から小説やイラストが投稿されて、読まれてきました。
「エブリスタ」は「誰もが輝ける場所（every-star）」をコンセプトに、一人一人の思いや言葉から生まれる物語をひろく世界へ届ける」ということを大事にしてきました。

小説投稿サイトは2010年代以降、百花繚乱に咲き乱れ、いろんなプラットフォームが現れては消えていきました。その中で、エブリスタはサービス開始から14年目を迎えることができ、小説投稿サイトでは長く続いているプラットフォームのひとつになりました。これも多くのユーザーのみなさまのおかげです。

そして、エブリスタが始める新しい創作支援プログラムが「スターギフト」です。これはいわゆる「投げ銭」型の作家収益機能です。
エブリスタが「スターギフト」を始めるきっかけは、やはりユーザーの皆さんからの声に応えるためでした。
他社の小説投稿サイトでは作家収益機能が実装されているものもあり、「小説を書くこと」で収益を得ている方々がいます。
特に海外では、小説プラットフォームにおいて収益機能は主流であり、エブリスタのユーザーの方々からも「作家収益機能を実装してほしい」という要望は多く寄せられていました。
また、SNSの隆盛もあり、個人の発信力が高まっている昨今、ライブ型の配信プラットフォームを中心に、ユーザーがプラットフォーム上の活動を通して収益を得られるシステムは一般的になりつつあります。
そういった時勢の流れも鑑み、エブリスタはクリエイターの創作活動を支援する作家収益化機能を実装できないかと検討を重ねてきました。
エブリスタのユーザーの方々からも以前より「作家収益機能を実装してほしい」という要望は多く、スタッフ内でもエブリスタに合う収益化システムはどんなものかと何度も話し合ってきました。

その中で出てきたのは、

というものでした。これらを踏まえた収益化システムについて話し合った中でできたのが「スターギフト」です。
今後は広告からの還元機能等についても考えていますが、作家の皆さまに良い形で収益還元できるよう、鋭意システムを検討中ですので、続報をお待ちください。

「スターギフト」は書き手は「作品を書いて収入を得る」ことができ、読み手にとっては「好きな作品やクリエイターを応援する」ことができる仕組みとなっています。
作家の方々は作品を発表し、「スターギフト」をもらうことで収益が得られ、今まで以上に読者に応援されているというモチベーションが得られます。
また、読者の方々は既存の機能に加え、作家に収益を還元する「スターギフト」を贈ることができるため、書き続けてほしい作家をより「応援」することができるようになります。スターギフトを贈るとお礼コメントやスター特典がもらえ、本編小説以外にも、推し作家から発信されるコンテンツを読めるので、より推し活を楽しむことができます。

「monokaki」は、エブリスタが運営する「物書きのためのメディア」です。