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平成小説クロニクル

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#仲俣暁生

「公正さ」は日本の小説を世界と連帯させる|藤井太洋と深緑野分|仲俣暁生

 新たな元号への改元を前に、平成年間に書かれた小説を読み返す旅も、私の担当回はこれで最後…

「就活」というリアルとアンリアル|朝井リョウと加藤シゲアキ|仲俣暁生

 平成という時代を象徴する小説家を一人だけ挙げようとすると、この時代のどの時期に着目する…

娯楽作品は「戦争」と「軍隊」をどう描いたか|福井晴敏と百田尚樹|仲俣暁生

 平成元年は第二次世界大戦が終わってから44年目の年だった。昭和天皇が崩御したこの年、20歳…

「本」の世界を描いたラブコメが広大な読者層を獲得した理由|有川浩と三浦しをん|仲…

 平成の30年間は、出版産業が急速に市場を縮小させていった時代として後世に記憶されるだろう…

青春ミステリーは「豊かで平和な時代」の外へと誘う|米澤穂信と桜庭一樹|仲俣暁生

 子ども向けの読み物と大人向けの読み物の中間段階、いわば階段の踊り場のようなものとして、…

「語り」と「ダンス」が小説に動きをもたらす|町田康と古川日出男|仲俣暁生

 小説の世界に他のジャンルの表現者が参入することは、いまではもう珍しくもなんともない。音…

「システムにからめ取られない自由」をもとめて|阿部和重と伊坂幸太郎|仲俣暁生

 平成はインターネットに代表される情報通信技術が急速に発展し、社会のあり方が大きく変わった時代だった。オウム真理教による地下鉄サリン事件が起きた平成7年はウィンドウズ95が発売された年でもあり、パソコンからインターネットへの接続が容易になった。また平成11年にはNTTドコモが「i-mode」のサービスを開始し、携帯電話からネットに接続する者が爆発的に増えた。  こうした時代背景のもと、小説にも変化が現れる。それは社会の根底にあってその全体を動かすものに対する感受性の変化だ。

地方を舞台とした「アンチ東京小説」のリアリティ|絲山秋子と吉田修一|仲俣暁生

 物語の舞台がどこであるかを、人はどのくらい気にして小説を読むだろう。もちろん小説に書か…

「キャラクター小説」というイノベーション|京極夏彦と森博嗣|仲俣暁生

 ある作家の登場以前と以後とで、小説のあり方が完全に塗り替えられてしまうような出来事は、…

女たちにとっての「自由」と「エコノミー」|角田光代と桐野夏生|仲俣暁生

 「平成」という時代を象徴する言葉の一つとして、「失われた○○年」というものがある。昭和…

「私小説」と「エクソフォニー」|多和田葉子と佐伯一麦|仲俣暁生

 今回は「平成」という時代が始まったばかりの頃の純文学の状況を振り返ってみたい。純文学の…

ミステリーがファンタジーを内包しはじめた時代|宮部みゆきと恩田陸|仲俣暁生

 まもなく終わりを告げる「平成」とは、どんな時代だったのか。それをこの時期に書かれた小説…