ダークヒーローからゴシックロマンまで 闇/病み小説|三村 美衣
「闇」はファンタジーとはとても相性の良いテーマだ。
ざくっと思いつくだけでも、光と闇の対決を描く異世界ファンタジー、暗黒と恐怖を物語の中心に据えたゴシックロマンや伝奇小説、夜や闇の中で生きる種族もの、死や暗黒への畏れや憧れ、不安や心に巣食う闇(病み)が起爆となるダークファンタジーなど、闇は深く、広く、さまざまなアプローチがとれる。
光の残酷、闇の魅力 闇といえば、主人公たちは世界が闇に支配されるのを阻止するために戦う「光と闇の対決」ものだ。異世界ファンタジーの王道ともい