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新しいファンタジーの教科書

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#ファンタジー

絶望感が最大の燃料になる 時を越えるファンタジー|三村 美衣

 今回のお題は「時を越えて」。  時というのは無常であり、川のように流れ続ける。「行く川…

恐怖を目的としないゴースト・ゾンビ・魔女の書き方|三村 美衣

 近所のスーパーマーケットに夕食の買い物に行ったら、チョコパイやポテトチップスの前に、籠…

動きと勢いを物語に折り込む ゲームファンタジーのルール|三村 美衣

 小説の中に、ゲーム/遊戯を道具立てに持ち込むと、物語内にわかりやすくルールや障害、競争…

ゲーム的テンプレ脱却!説得力ある人外/異種族の書き方|三村 美衣

 エルフ、ドワーフ、ゴブリン、トロール、ノーム、人獣、ケンタウロス、ケルベロス、ユニコー…

日常系から大冒険まで ほっこり/ほのぼのファンタジー|三村 美衣

 これまでは設定やガジェット(道具立て)に関するテーマが主だったが、今回は「ほっこり/ほ…

王位争奪、政略結婚、絢爛華美な宮廷ファンタジー|三村 美衣

 令和を迎えるにあたって、TVやネットでは退位・即位に関する様々な儀式が中継されているが、…

ダークヒーローからゴシックロマンまで 闇/病み小説|三村 美衣

 「闇」はファンタジーとはとても相性の良いテーマだ。  ざくっと思いつくだけでも、光と闇の対決を描く異世界ファンタジー、暗黒と恐怖を物語の中心に据えたゴシックロマンや伝奇小説、夜や闇の中で生きる種族もの、死や暗黒への畏れや憧れ、不安や心に巣食う闇(病み)が起爆となるダークファンタジーなど、闇は深く、広く、さまざまなアプローチがとれる。 光の残酷、闇の魅力 闇といえば、主人公たちは世界が闇に支配されるのを阻止するために戦う「光と闇の対決」ものだ。異世界ファンタジーの王道ともい

ファンタジー書きの新学期:魔法学園への入学|三村 美衣

 学園というのは、この世界の中にありながら、外の社会とは少し違うルールで動いている。どの…

旅に出よう! ファンタジーの神髄|三村 美衣

 ファンタジーの根底には、「懐かしいどこかに帰りたい」という望郷の念と、見たことのない異…

今が狙い目!?「お仕事ファンタジー」を書いてみよう|三村 美衣

 仙人は霞を食って生きていけるかもしれないが、たいていの生き物は食事が必要で、自給自足が…

これだけ押さえればOK! 和風ファンタジー設定の肝|三村 美衣

 今回のテーマは人気の「和風ファンタジー」。  わかるようでわかりにくい漠然としたお題だ…

物語に深みを与える、魔法の過去・現在・未来|三村 美衣

 「魔法」というのは普通では考えられない何かを起こす力だが、メカニズムが見えないだけに、…

動物もののヴァリエーション:ドラゴンは動物ですか?|三村 美衣

 ファンタジーは、人の社会や現代社会に囚われず、広い視点から世界を見直すことができるジャ…

世界を創るには、モデルとなる国・時代を決める|三村 美衣

 ファンタジー小説の自由度は高い。物語の舞台がこの地球上にある必要もないし、主人公に羽があっても角があってもいい。場所も、時代も、その世界を貫く法則も、何もかも好きなように設定できることがファンタジーの楽しさだ。  しかし、現代社会ほどではないにしても、剣と魔法の世界だってそんなに単純ではない。『指輪物語』(映画『ロード・オブ・ザ・リング』の原作)のトールキンは、世界が誕生した時からの長大な年表、神話、言語、地図、動植物相、エルフや人間など各種族の系図などを細かに設定し、中