Webから応募できる小説新人賞まとめ|2024年上半期|monokaki編集部
どんな時代も当事者からすれば激動の時代だ、という当たり前のことをこの数年で強く感じるようになりました。世界的なコロナパンデミック(感染爆発)がおさまったかと思いきや、ロシアのウクライナ侵攻が起きて長期化しています。また、イスラエル軍によるパレスチナのガザ地区侵攻が起きており、世界情勢はかなり不安定です。そんな時に自分は何ができるのか、どう生きていくのか、世界はどうなっていくのか、と考えることが多くなってきました。
皆さんお元気でしょうか? 気がつけば今年も11月の後半となり、残すところ一カ月です。すぐに2024年がやってきます。
2023年は小説が思うように書けなかった(読めなかった)という人もたくさんいるのではないでしょうか。こんな時だからこそ、心機一転の気持ちで新年に向けて執筆目標を立てましょう!
この記事では、以下の「3つの条件」を満たす賞を集めました。
・2024年の上半期(06月末まで)〆切
・Webから手軽に応募可能
・書籍化のチャンスもある
スケジュールを立てて応募するのもよし、書き終えてから応募できる賞を探すのもいいかもしれません。
大手出版社の歴史のある新人賞でもWeb応募可能な賞が増えており、「紙で応募するのはめんどくさい」という人も気軽に応募できる環境になってきています。
書籍化デビューを狙うのはもちろん、「〆切がないと書けない」人は、新人賞の〆切を基準にスケジュールを立ててみませんか?
短編・中編、長編と、幅広くさまざまな賞があります。
自ジャンルで募集がないか、チェックしてみてください。また、これを機会に書いたことのないジャンルに挑戦してみるのもいいかもしれません。
■1月9日(火)〆切 :めちゃコミック 女性向けマンガ原作賞
エブリスタの人気作品も続々コミカライズで刊行中のめちゃコミックから、あなたの作品もマンガ化される可能性があります。
特に求めているジャンルとして「不遇ヒロインの政略結婚」「ライバル女子の黒い活躍」「納得感のある復讐もの」があり、該当する作品はタグ設定をお願いします。
monokakiでは以前の募集時に「めちゃコミックオリジナル」の編集者・平田佳氏にインタビューをしています。どんな作品が求められているのか参考にしてください。
■1月9日(火)〆切 :第15回 創元SF短編賞
受賞作は東京創元社の総合文芸誌〈紙魚の手帖 SF特集号Genesis〉に掲載したのち、短編単体で電子書籍化し、また朗読音源化したものを『kikubon(キクボン)』 (株式会社RRJ)にて配信。
選考委員は飛浩隆氏、宮澤伊織氏、小浜徹也氏の三名。
「SF」についてはこちらの記事が参考になるかもしれません。
選考委員の飛浩隆さんのインタビュー『なぜこんな物語を書こうとしているんだろう?』も応募前に読んでみてください。
■1月10日(水)〆切 :2024年ノベル大賞
集英社が主催する公募文学賞で、受賞作は集英社オレンジ文庫から刊行されます。ライト文芸が好きな人は自分が読みたいと思うような作品を応募してみては?
大賞の副賞として賞金300万円。準大賞は100万円。佳作は50万円。
選考委員は今野緒雪氏、似鳥鶏氏、三浦しをん氏、丑尾健太郎氏の四名。
選考委員の三浦しをんさんの『マナーはいらない 小説の書きかた講座』を取り上げた「小説の書き方本を読む」も参考になるかもしれません。
■1月31日(水)〆切 :第70回 江戸川乱歩賞
東野圭吾さん、桐野夏生さん、池井戸潤さん、佐藤究さんなど多くの大型作家を輩出し、推理小説界の名門と言われる江戸川乱歩賞。
受賞作は講談社より刊行され、フジテレビによって映像化が検討されます。また、副賞賞金がなんと500万!
第70回を記念した豪華な選考委員は綾辻行人氏、有栖川有栖氏、真保裕一氏、辻村深月氏、貫井徳郎氏、東野圭吾氏、湊かなえ氏の七名。
■1月31日(水)〆切 :第14回 集英社みらい文庫大賞
大賞受賞者はデビュー確約。また、応募〆切から三ヶ月で結果発表されます。
一人何作でも応募可能。募集の開始は2023年12月1日からです。
ライターの飯田一史さん連載「ジュニア文庫を書こう」が参考になるのでぜひ応募前に読んでみてください。
■2月16日(金)〆切 :第3回 警察小説新人賞
「警察小説」というジャンルに特化した新人賞です。警察小説であれば、ホラー、SF、ファンタジーなどの要素を持つ作品も対象となります。
大賞賞金300万円。選考委員はサスペンスやミステリー小説を書かれてきた人が多いので、ファンだった方にはぜひ挑戦してみてください。
選考委員は今野敏氏、相場英雄氏、月村了衛氏、長岡弘樹氏、東山彰良氏の五名。
宝島社×エブリスタ「『この文庫がすごい!』大賞」に関する記事ですが、「警察小説」についてもお話されているので参考にしてみてください。
■2月29日(木)〆切 :メフィスト賞(2024年上期)
京極夏彦さんが先鞭をつけ、森博嗣さん、清涼院流水さん、西尾維新さん、辻村深月さんなどミステリー、エンターテインメントの異才を送り出してきたメフィスト賞。
2021年からウェブ応募のみに変更になりました。編集者が直接選び、受賞すれば書籍化を約束する新人賞です。
紙のみで応募時期の編集部インタビューですが、応募する人には参考になるはずです。
■3月31日(日)〆切 :エブリスタ小説大賞2023 集英社 少女・女性向けコミック全レーベル合同マンガ原作賞
集英社の少女・女性向けコミック全レーベル(りぼん、マーガレット、別冊マーガレット、クッキー、ココハナ、マンガMee、デジタルマーガレット、君恋)が合同でコンテストを開催!
【現代の少女・女性マンガ原作部門】【時代・ファンタジーマンガ原作部門】【BL部門】【BL短編部門】の四部門ですが、どの部門に応募しても、協賛全レーベルの選考対象になります。
章典として、集英社の少女・女性向けコミック全レーベルいずれかでコミカライズ検討、【現代の少女・女性マンガ原作部門】【時代・ファンタジーマンガ原作部門】【BL部門】は受賞1作品につき10万円、【BL短編部門】は受賞1作品につき2万円、優秀作品にはエブリスタ編集部から選評メールを送付します。
前回コンテスト時のインタビューでは、コミカライズ原作に求めるものについて編集者さんから詳しく伺っているので参考にしてください。
■3月31日(日)〆切 :第23回 角川ビーンズ小説大賞
レーベル20周年を迎え、募集部門を2部門に分け大幅リニューアルされています。
部門ごとでジャンルなどが違うので自分に合うものや書いてみたいものと照らし合わせて応募してみてください。
大賞100万円、優秀賞30万円【一般部門】審査員特別賞10万円、【テーマ部門】WEB読者賞10万円。
【一般部門】の審査員は伊藤たつき氏、三川みり氏、角川ビーンズ文庫編集部。【WEBテーマ部門】は『カクヨム』上での読者投票を踏まえ、角川ビーンズ文庫編集部が最終選考を行い選出。
■3月31日(日)〆切 :第25回 角川ルビー小説大賞
BL好きな方にぜひ応募してほしい新人賞です。
全員にA~Eに評価分けした選評をWEB上で発表。大賞賞金100万円+応募原稿出版時の印税。優秀賞賞金30万、奨励賞賞金20万、読者賞賞金20万。
BLについての『おもしろいって何ですか?』の記事も参考にしてください。
■3月31日(日)〆切 :第30回 スニーカー大賞(前期)
『ロードス島戦記』『涼宮ハルヒ』などのヒットシリーズを生み出し、ライトノベルの歴史を築いてきた角川スニーカー文庫が主催する新人賞です。(後期)は9月末〆切の年二回。
大賞は正賞 記念品+副賞 賞金300万円+コミカライズ確約+ボイスつき動画制作確約。
選考委員は角川スニーカー文庫編集部。
ライトノベル・ファンタジーの代名詞である『ロードス島戦記』から『ソードアート・オンライン』と二度目のファンタジー・ブームについて興味ある人は読んでみてください。
■3月31日(日)〆切 :第20回MF文庫Jライトノベル新人賞(第四期)
応募者全員に評価シートを送付。三次通過者以上は編集部へ招待。
こちらは「第四期」となり、第20回の最後の受付になります。
選考委員は志瑞祐氏、鈴木大輔氏、花間燈氏、MF文庫J編集部。
■3月31日(日)〆切 :第2回 創元ミステリ短編賞
正賞は懐中時計、賞金は30万円。受賞作は小社刊〈紙魚の手帖〉に掲載し、また朗読音源化したものを『kikubon(キクボン)』 (株式会社RRJ)にて配信。
選考委員は大倉崇裕氏、北村薫氏、辻堂ゆめ氏の三名。
■3月31日(日)〆切 :第5回 ことばと新人賞
書肆侃侃房が刊行する文芸ムック「ことばと」の新人賞。文学ムック「ことばと」vol.8(2024年10月刊行予定)受賞作のほかに選考座談会の模様を掲載。(受賞作品以外の最終候補作は「ことばと」vol.8発売後に書肆侃侃房公式note「web侃づめ」に掲載)副賞として単行本化。
選考委員は江國香織氏、滝口悠生氏、豊﨑由美氏、山下澄人氏、佐々木敦氏の五名。
■3月31日(日)〆切 :第61回 文藝賞
近年では芥川賞を受賞した町屋良平さんや遠野遥さんや宇佐見りんさんを輩出しています。
選考委員は小川哲氏、角田光代氏、町田康氏、村田沙耶香氏の四名。
「文藝」編集部にインタビューした記事を読んでから応募してみませんか? 執筆する際のヒントがたくさんあります。
■3月31日(日)〆切 :第56回 新潮新人賞
小山田浩子さん、滝口悠生さん、上田岳弘さん、高橋弘希さん、石井遊佳さんと10年代の芥川賞作家を多く輩出している歴史ある新潮新人賞。前年度からWEB応募が始まりました。
選考委員は上田岳弘氏、大澤信亮氏、小山田浩子氏、金原ひとみ氏、又吉直樹氏の五名。
新潮新人賞デビューの青木淳悟さんについての記事と「yomyom」編集長の西村博一さんの「純文学」についてのお話も参考になるかもしれません。
■4月10日(水)〆切 :第31回 電撃小説大賞
『ソードアート・オンライン』や『86―エイティシックス―』などの大ヒット作を輩出し続けている電撃文庫。ファンタジーのイメージもありますが応募のジャンルは不問。短編と長編の二部門あります。
「電撃文庫」「メディアワークス文庫」や「電撃の新文芸」からも受賞作が出版されることもあります。
最終選考委員は電撃文庫編集部、メディアワークス文庫編集部、電撃の新文芸編集部。
気になった方は、以前の湯浅隆明&高林初両編集長のインタビューを読んでから応募してみてください。
■5月7日(火)〆切 :第7回 富士見ノベル大賞
大人のためのキャラクター小説、新しいエンターテインメントを作りたい人を募集。
また、新しいジャンルを作ってもかまわないとのことなので、自分の書いているジャンルがどこにもうまく属さないと悩んでる人は応募してみてはいかがでしょうか。
大賞:100万円、入選:30万円、佳作:10万円、審査員特別賞。
選考委員は富士見 L文庫編集部。
■5月9日(木)〆切 :第10回 角川文庫キャラクター小説大賞
角川文庫による新人賞。2023年8月ごろに最終候補作品を発表の予定と、結果発表までが早いのも特徴です。
大賞:100万円、優秀賞:30万円、奨励賞:20万円、読者賞:賞10万円(読者賞は最終候補作品の中から、有志の書店員からなるモニター審査員により選考)。『カクヨム』テーマ賞:10万円(*『カクヨム』からの応募作品のみ)。
選考委員は澤村御影氏、望月麻衣氏、角川文庫キャラクター文芸編集部。
選考委員の望月麻衣さんのインタビューもなにか参考になるかもしれません。
■5月10日(金)〆切 :第28回 日本ミステリー文学大賞新人賞
近年では『ロスト・ケア』で受賞しデビューした葉真中顕さんを輩出しているミステリー好きには応募してほしい新人賞です。
大賞受賞者には正賞としてシエラザード像、副賞として500万円
選考委員は月村了衛氏、辻村深月氏、湊かなえ氏、薬丸岳氏の四人。
ミステリーについての『おもしろいって何ですか?』の記事も参考にしてください。
■6月20日(木)〆切 :第104回オール讀物歴史時代小説新人賞
第101回から「歴史時代小説」分野に特化した賞へリニューアルしました。歴史時代小説でデビューを狙っている人はぜひ応募してみてください。
選考委員は安部龍太郎氏、門井慶喜氏、畠中恵氏。
monokaki では、大沼貴之編集長にインタビューしています。小説を書く人にぜひ読んでほしい、「monokaki」一番最初の特集記事です。
■6月30日(金)〆切 :第14回 ポプラ社小説新人賞
前身のポプラ社小説大賞を含めると、『食堂かたつむり』の小川糸さん、『四十九日のレシピ』の伊吹有喜さん、『ビオレタ』の寺地はるなさん、『日乃出が走る』の中島久枝さん、『跡を消す』の前川ほまれさんなどを輩出。
選考を最初から最後まで、すべて社内で行っているため、出版社の熱い気持ちが選考に反映される点は、ポプラ社小説新人賞ならではの特色となっている。今回より応募はウェブでのみになっています。
■2024年下半期はこちら
■おわりに:エブリスタコンテスト情報
創作活動の道標に、腕を磨く手段に、Webから応募できる小説新人賞を活用してみてください。
また、小説投稿サイト・エブリスタでは、この他にも選評が貰える投稿イベントや、書籍化が狙えるコンテストを常時開催しております。こちらもぜひご活用いただければと思います。
「monokaki」は、エブリスタが運営する「物書きのためのメディア」です。